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契約書に、債務者が期日までの債権者への金銭債務の支払いを遅らした場合の損害についての条項を書きます。
1.遅延損害金の目的:
この条項の目的は、
① 実際に支払遅延が起こった場合に、支払いの完済までに一定の損害金を課すことを規定することにより、債権者が損害額を立証するための手間を省いて、損害額に関するトラブルを予防することがあげられます。
② また、債務者に対して、定められた期日までの金銭債務の履行を促すという間接的な効果があります。
2.遅延損害金の利率:
契約の当事者間で、遅延損害金利率を取り決めていないときの利率は、法定利率が適用されることとなります。
民法改正により、法定利率は、年5%から年3%となり、その後3年ごとに見直しが行われる変動制となります。 また、商事法定利率6%は廃止されます。(改正民法404条、419条)
このように、民法改正により法定利率は3年ごとに見直しが行われる変動制となることから、遅延損害金利率について定めを置くことが、より重要となります。
法定利率では、債務者への履行を強制する力にならないと思えば、自由に利率を決めることができます。
債務者が複数の債務について遅滞していたとすれば、債権額の増大を少しでも防ぐため、遅延損害金の高い債権を優先的に支払う傾向がみられるようです。そのため、優先的に支払いを受けるため、高い遅延損害金利率を定めておくのも一案です。
ただし、遅延損害金の上限が法律によって定められていることがあるので注意が必要です。
以下の例では、消費者契約法の上限利率とされている、年14.6%の利率を使っています。
3.遅延損害金の条項の書き方 ー 例:
「乙が本契約に基づく金銭債務の支払いを遅延したときは、甲に対し、支払期日の翌日から完済に至るまで、年14.6%(年365日の日割計算)の割合による遅延損害金を支払うものとする。」
(ご参考):英文契約書での遅延損害金の表し方と例文については、accrue interest(遅延損害金が発生する)の解説と例文|英文契約書の基本表現をご覧ください。