Liquidated Damages Clause(損害賠償額の予定条項)

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英文契約書の請負契約や売買契約などで、損害賠償額の予定条項として置かれることがあるLiquidated Damages Clauseについて解説します。併せて、例文をとりあげ、対訳をつけて例文中の基本表現に注記を入れました。

1.解説:

1)Liquidated Damages Clauseとは

英文契約書の請負契約や売買契約などでは、Liquidated Damages Clauseが設けられることがあります。

Liquidated Damages Clauseとは、当事者間で、契約違反があった場合に、相手に賠償する損害賠償額について予め合意した条項のことを意味し、損害賠償額の予定条項と訳されます。

Liquidated Damagesは、liquidate(金額を決定する)と、damages(損害賠償額)で、損害賠償額の予定、予定損害賠償額などと訳されます。

damageは、単数で損害ですが、damagesで複数にすると損害賠償額という意味になります。

損害賠償額の予定が規定されると、契約違反の事実さえあれば、実際の損害金額の証明をしなくても、これを根拠に、金額を請求できることになります。

損害賠償額の予定の決め方は、出荷や業務の遂行が遅れたら、1日・1週間あたり〇米ドルとか、契約・商品の金額の△パーセントとか、いろいろなケースがあります。

併せて、上限額を定めるやり方も多く見られます。(下記の例文をご覧ください)

2)Liquidated Damages Clause(損害賠償額の予定条項)の注意点

予定損害賠償額が不当に高額である場合には、penalty(違約罰)とみなされ、無効とみなされる可能性があります。

penalty(違約罰)とは、相手に履行を強制させるため、実際の損害額と比べて、あまりにも高額な予定損害賠償額を合意した条項のことをいい、英米法(コモンロー)の下では、無効とされています。

Liquidated Damages Clause(損害賠償額の予定条項)では、予定損害賠償額について、not as a penalty(違約罰ではない)とよく記載されます。(下記の例文をご覧ください)

しかし、この違約罰ではないとする記載のみでは拘束力はありません。

予定損害賠償額は、あくまで、想定される損害額として合理的な範囲の金額であることに留意する必要があります。

2.例文と基本表現:

(注):Liquidated Damagesは、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。

Liquidated Damages Clause(損害賠償額の予定条項)– 例文

Liquidated Damages Clause(損害賠償額の予定条項からです。請求額と上限額を規定しています。受託業者に出荷遅れやサービスの遅れが生じた場合、ベンダーは、1日あたり契約価格の0.5%の割合で、契約価格の10%を上限に(違約罰でなく)予定損害賠償額を請求できます。

Without prejudice to Vendor’s rights under Clause 5 above, but in the event of Vendor accepting late delivery of the Goods or late performance of the Services from Contractor, Vendor reserves the right to require Contractor to pay or to deduct from the Contract Price liquidated damages (and not as a penalty), a sum to be calculated at the rate of 0.5% per cent of the Contract Price for the late delivery of the Goods or late performance of the Services, for each day which may elapse between the date of delivery/performance and the actual delivery/performance up to a maximum of ten per cent (10%) of the Contract Price for the delay of the Goods or performance of the Services.

(訳):

上記の第5項に基づくベンダーの権利を損なうことなく、ベンダーが受託業者からの物品の出荷遅れまたはサービスの履行遅れを受け入れる場合には、ベンダーは、受託業者に対し、出荷の予定日もしくはサービス履行の予定日と実際の出荷もしくはサービス履行との間に生じた1日あたり物品の出荷遅れまたはサービスの履行遅れについて契約価格の0.5%の割合、かつ出荷遅れまたはサービスの履行遅れについて契約価格の10%を上限に計算した合計額を、(違約罰としてではなく)予定損害賠償額として支払うことを求め、または契約価格から差し引くことを求めることができる

(注):

*Without prejudice toは、を損なうことなくという意味です。 

*in the event ofは、の場合にはという意味です。 

*late deliveryは、出荷遅れという意味です。 

*late performanceは、履行の遅れという意味です。

*reserves the right toは、~することができる、~する権利を留保するという意味です。

deduct fromは、から差し引くという意味です。 

liquidated damages (and not as a penalty)は、(違約罰としてではなく)予定損害賠償額という意味です。 

*elapseは、経過するという意味ですが、生じると訳しています。 

*up to a maximum ofは、直訳すると最大~までですが、~を上限にと訳しています。

 

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