Minimum Royalty(ミニマム・ロイヤリティ条項)

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英文契約書のライセンス契約においてミニマム・ロイヤリティ条項として置かれることがあるMinimum Royaltyについて解説します。併せて、例文をとりあげ、要点と対訳をつけて例文中の基本表現に注記を入れました。

1.解説:

1)Minimum Royaltyとは

ライセンス契約では、ライセンシー(=ライセンスを受ける側:実施権者)が一定期間に最低額の使用料を支払うことを定める場合があります。

英文契約書に置かれるMinimum Royaltyとは、

このライセンシーによるミニマム・ロイヤリティ(最低使用料)の支払い方法などを定めたミニマム・ロイヤリティ条項

のことをいいます。

ミニマム・ロイヤリティを定めると、ライセンサー(=ライセンスする側:実施許諾者)にとっては、確実に一定額の収入を得られるメリットがあります。

一方、ライセンシーにとっては、売上が不振であっても最低使用料を支払うことを約束することになります。 

なお、契約で明文の規定がなければ、ミニマム・ロイヤリティのベースとなる売上金額が達成できなくても契約を解除されないのが一般的です。

2)Minimum Royaltyミニマム・ロイヤリティ条項)で規定される内容

Minimum Royaltyミニマム・ロイヤリティ条項では、

ミニマム・ロイヤリティと、

・一定の期間ごとに分けて使用料を支払うランニング・ロイヤルティ

の組み合わせによる支払い方法の取り決めがよく見られます。(下記の例文をご覧ください)

具体的には、

①年間のミニマム・ロイヤリティを定額で規定する。

ミニマム・ロイヤリティは、年間のランニング・ロイヤルティと相殺できることを規定する。

というやり方です。

②の相殺の意味ですが、ミニマム・ロイヤリティは、ランニング・ロイヤルティの前払いになるということです。

言い換えると、ランニング・ロイヤルティの金額がミニマム・ロイヤリティの金額を超えた場合は、支払い済みのミニマム・ロイヤリティの金額を差し引いて支払う、ことで処理します。

2.例文と基本表現:

(注):Minimum Royaltyは、青文字で示しています。

Minimum Royalty(ミニマム・ロイヤリティ条項)– 例文

ミニマム・ロイヤリティとランニング・ロイヤルティの組み合わせによる支払いです。ミニマム・ロイヤリティは、ランニング・ロイヤルティと相殺できます。

Licensee shall pay to Licensor license annual minimum royalty payments, due on each anniversary of the Effective Date, starting four (4) years after the Effective Date, as follows:(i)Ten thousand dollars ($10,000) due and payable on the fourth (4th) anniversary of the Effective Date;(ii)Twenty five thousand dollars ($25,000) per year, due and payable on the fifth (5th) anniversary of the Effective Date and on every subsequent anniversary of the Effective Date until first commercial sale of a Licensed Product;(iii)One hundred thousand dollars ($100,000) per year, due and payable on each anniversary of the Effective Date after first commercial sale of a Licensed Product. Such annual minimum royalty payments may be credited against the running royalty payments for the same Royalty Year.

(訳):

ライセンシーは、発効日から4年後に開始され、発効日の各応当日期限となる年間ミニマム・ロイヤルティを、ライセンサーに、次のように支払う:(i)発効日の第4応当日を、1万ドル($10,000)の支払い期限とする;(ii)発効日の第5応当日およびライセンス製品の最初の市場販売までの発効日から以降のすべての各応当日を、年間2万5千ドル($25,000)の支払い期限とする;(iii)ライセンス製品の最初の市場販売後、発効日の各応当日を、年間10万ドル($ 100,000)の支払い期限とする。 当該年間ミニマム・ロイヤルティの支払いは、同じロイヤルティ年度のランニング・ロイヤルティ支払いに充当することができる。

(注):

*dueは、期限が来ているという意味です。詳しくは、due(支払い期限が到来する)の解説と例文をご覧ください。 

*anniversaryは、応当日という意味です。詳しくは、Anniversaryの意味と例文をご覧ください。 

*the Effective Dateは、(契約の)発効日という意味です。 

*due and payableは、は、支払い期限となるという意味です。詳しくは、due and payableの意味と例文をご覧ください。 

*subsequentは、次の、以降のという意味です。 

Licensed Productは、ライセンス製品、許諾製品という意味です。 

*be credited againstは、~に充当する、~と相殺するという意味です。 

*the running royaltyは、ランニング・ロイヤルティという意味です。

 

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