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英文契約書の構成(structure of contract )、主要条項と一般条項の意味と違い、等について例文(訳付き)とともに解説しています。
1.英文契約書の構成:
一般的に、英文契約書の構成は、つぎのようになっています。
5)End of operative provisions (後文)
2.解説:
以下に、英文契約書を構成する各パートがどのようなものかについて、解説します。
1) Contract title(表題) :
英文契約書のタイトル、つまり契約書の名称のことです。 英文契約書の最初に、Contract title (表題)をつけます。
Contract title (表題)それ自体には、法的効果はありません。 通常、「~ Agreement」「~ Contract」で表されますが、両者に違いはありません。
Contract title (表題)は、契約内容を一目でわかるようにするため、簡潔な名称で表すことが大事です。
(例):
Contract for Sale and Purchase(売買契約)、Supply Agreement(供給契約)、License Agreement(ライセンス契約)、Non-disclosure agreement(秘密保持契約)、Service agreement(サービス委託契約)など
2) Premises (頭書) :
英文契約書の頭書には、以下の内容が表示されます。
・契約の発効日
・当事者の会社の種類
・会社設立の準拠法
・当事者の本店所在地
・当事者の商号
Premises (頭書)の趣旨は、契約の発効日と当事者の特定にあります。
Premises (頭書) では、契約の当事者の特定について、万が一の混乱がないように、上記のような項目にて、できるだけ詳しく記載します。
なお、契約の締結日と発効日は、通常、同じであることが多いのですが、異なる場合は、別途定めます。
(例文):
以下は、Distribution Agreement(販売店契約)の Premises (頭書) の例です。
This Distribution Agreement (this “Agreement”) is entered into as of XXX (the “Effective Date”) between XXX, a XXX, having its head office at XXX and XXX, a XXX, having its head office at XXX (collectively the “Parties” or individually a “Party”).
(訳):
この販売店契約書(「本契約」)は、〇〇年〇〇月〇〇日(「発効日」)から効力を有するものとし、〇〇(会社の商号)、〇〇(米国〇〇州法により設立された株式会社)、その本店所在地は〇〇と、〇〇(会社の商号)、〇〇( 日本法により設立された株式会社 )、その本店所在地は〇〇、との間で締結された(以下、総称して「両当事者」、又は個別に「当事者」という)。
3) Whereas clause (前文):
英文契約書において、契約の締結に至るまでの目的、経緯、背景などを説明するパートです。
このパートは、契約の解釈について、万が一の将来の紛争に備えるためにも、契約の目的や背景はどうだったのか、正確に表記することが重要です。
このパートは、通常、 Whereas ではじまっており、 Whereas clause とよばれます。
WHEREAS と NOW, THEREFORE ~ が、 Whereas clause (前文) の慣用表現として、一緒に使われます。(下記の例文をご参照ください)
WHEREAS は、asと同じく、~なので の意味となります。
NOW, THEREFORE ~は、よって、ここに~、したがって、ここに~ の意味となります。
なお、Whereas clause (前文)は、こちらもご参考にしてください:
・WITNESSETH, WHEREAS, NOW, THEREFORE, in consideration of|英文契約書の基本表現
・RecitalsとWITNESSETHについて|英文契約書の基本表現
(例文):
以下は、サービス委託契約の Whereas clause (前文) の例です。
RECITALS
WHEREAS, Vendor desires to engage Service Provider to render after-sale services for the Products (as defined below) sold by Vendor in the Territory (as defined below); and
WHEREAS, Service Provider desires to accept such engagement.
NOW, THEREFORE, the Parties mutually agree to enter into this Agreement in accordance with the terms and conditions stated herein.
(訳):
経緯
ベンダーは、テリトリー(以下に定義する。)にて、ベンダーが販売する製品(以下に定義する。)のアフターサービスを提供するために、サービス会社に提供することを希望し、
サービス会社は、その業務の提供を受託することを希望しており、
よって、両当事者は、ここに定める条件に従って、本契約を締結することに相互に合意する。
4) Operative provisions (本文)
英文契約書においてOperative provisions (本文)のパートは、① Principal provisions (主要条項)と ② General Provisions( 一般条項 ) から、構成されます。
① Principal provisions (主要条項):
Principal provisions (主要条項) は、取引の主となる内容であり、契約の内容によって異なります。つまり、各契約の種類ごとに、固有に規定される独特な条項のことです。
たとえば、Distribution Agreement(販売店契約)であれば、特有な Principal provisions (主要条項) として、以下のようなものがあります。
・Appointment as Distributor(販売店の選定)
・Orders(注文)
・Prices(価格)
・Delivery and Inspections (引渡し及び検査)
・Payment(支払い)
・Term and Termination(期間及び解除)
・Seller’s Sales Support(売主の販売サポート)
・Trademark License(トレードマークのライセンス)
・Warranty(保証)
・Intellectual Property Infringement(知的財産の侵害)
② General Provisions( 一般条項 ) :
General Provisions( 一般条項 )とは、契約の種類にかかわらず、共通して規定される一般的な条項のことです。
詳しくは、英文契約書の基本知識 - General Provisions(一般条項)について をご覧ください。
③ General Provisions(一般条項)と Principal provisions (主要条項) の区別について:
General Provisions(一般条項)と Principal provisions (主要条項)区分は、絶対的なものではなく、便宜的なものです。General Provisions(一般条項)が英文契約によく使われる条項、Principal provisions (主要条項)が一部の英文契約書に使われる条項、とご理解ください。
5) End of operative provisions (後文):
Operative provisions (本文)の後は、「上記契約書の証として、両当事者は本契約を締結する」旨の文言が記載されます。
このパートの最初には、IN WITNESS WHEREOF (これを証するため)が慣用表現として使われます。
(例):
IN WITNESS WHEREOF, the Parties have caused their duly authorized representatives to execute this Agreement on the dates set forth under their signatures.
(訳):
上記の証として、両当事者は、署名欄記載の日に、正当な権限を有する代表者に、本契約を締結させた。
6) Signature (署名欄):
Signature (署名欄) は、以下のように表現されます。
(例):
PARTY A PARTY B
By: By:
Name: Name:
Title: Title:
Date: Date:
なお、Signature (署名欄)の詳細は、 英文契約書のSignature(署名欄)についてをご覧ください。
7) Exhibits(別紙、添付書類):
チャート、計画、図面、補助契約など、契約に不可欠な部分となる追加のドキュメントです。本契約に添付されます。
Exhibits(別紙、添付書類) は、schedule, appendix, attachmentともよばれますが、用語は統一することが望ましいといえます。
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