ab initioの意味と例文

英文契約書・日本語契約書の作成・チェック(レビュー)・翻訳の専門事務所です。(全国対応)宇尾野行政書士事務所

英文契約書で、権利・義務の譲渡などの場面で使われるラテン語の表現のab initioについて解説します。例文に訳をつけています。例文中の他の基本表現に注記しました。

1.解説:

1)ab initioとは

ラテン語の表現であるab initioは、遡及して、最初からという意味です。

日常的には、ほとんど使われませんが、形式を重んじるラテン語の契約表現のひとつです。

ab initioは、代わりに、retroactively(遡って、遡及的に)に置き換えて、使うこともできます。

null and void ab initio:

ab initioは、null and void(無効の)と組み合わせて、null and void ab initio(遡及的に無効の)という表現でも使われます。(例文①例文②をご覧ください)

2)ab initioの使い方

ab initioは、契約の権利・義務の譲渡に関連して、以下のような内容で、よく使われます。(青字部分)

・当事者の同意なしになされた、本契約の譲渡は、遡及的に無効となる。(例文①をご覧ください)

・ライセンサーの同意なしになされた、ライセンスソフトウエアの譲渡やサブライセンスは、遡及的に無効となる。(例文②をご覧ください)

2.例文と基本表現:

(注):ab initioは、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。

1)ab initio – 例文①

譲渡制限条項からです。権利承継の場合をのぞき、当事者の同意なしになされた本契約の譲渡は、遡及的に無効となります。

Neither party may assign this Agreement, in whole or in part, without the other party’s prior written consent; provided, however, that either party may assign this Agreement to a successor in interest in the event of a reorganization, merger, consolidation or sale of all or substantially all of its assets or stock. Any assignment in violation of this section is null and void, ab initio.

(訳):

いずれの当事者も、相手方当事者の事前の書面による同意なしに、本契約の全部または一部を譲渡することはできない。 ただし、全てもしくは実質的に全ての資産または株式の再編、合併、統合または売却の場合には、いずれかの当事者は、本契約を権利承継会社譲渡することができる。 本項に違反する譲渡は、遡及的に無効となる。

(注):  

*assignは、譲渡するという意味です。 

*in whole or in partは、全部または一部という意味です。 

provided, however, thatは、だだし、~とするという意味です。 

*successor in interestは、権利承継人、権利承継会社という意味です。

*in the event ofは、の場合にはという意味です。 

*all or substantially all of は、全てもしくは実質的に全ての(資産または株式)という意味です。 

*null and voidは、無効なという意味です。同義語による強調表現です。

2)ab initio – 例文②

ライセンス許諾条項からです。ライセンサーの同意なしになされた、ライセンスの譲渡やサブライセンス許諾は、遡及的に無効となり、契約は自動的に終了します。

The licenses granted in this Agreement are non-transferrable and Licensor retains title and exclusive ownership of any and all versions of the software licensed hereby. Any purported sale, assignment, transfer or sublicense without such consent will be null and void ab initio, and will automatically terminate this Agreement.

(訳):

本契約で付与されるライセンスは譲渡不能であり、ライセンサーは、本契約によりライセンスされるソフトウエアのすべてのバージョンの権限および独占的所有権を保持する。 かかる同意のない、意図的な売却、譲渡またはサブライセンスは、遡及的に無効であり、本契約は自動的に終了する。

(注):  

*non-transferrableは、譲渡不能の譲渡できないという意味です。

*titleは、権限という意味です。

*exclusive ownershipは、独占的所有権という意味です。 

*purportedは、意図的なと訳しています。 

*assignment, transferは、譲渡という意味です。同義語による強調表現です。

*null and voidは、無効なという意味です。同義語による強調表現です。

 

英文契約書・日本語契約書の作成・チェック(レビュー)・翻訳は、当事務所にお任せください。リーズナブルな料金・費用で承ります。

お問合せ、見積りは、無料です。お気軽にご相談ください。

電話:042-338-2557   受付時間: 月~金 10:00~18:00

メールでのお問合せは、こちらから。     

ホームページ:宇尾野行政書士事務所