unaided memoryの意味と例文

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英文契約書のIT関係秘密保持契約で見かける表現であるunaided memoryについて解説します。併せて、例文をとりあげ訳をつけました。例文中の他の基本表現に注記しました。

1.解説:

1)unaided memoryとは

IT関係秘密保持契約において、unaided memoryの表現が使われることがあります。

unaided memoryは、直訳すると、補助されない記憶ですが、メモ、資料、記録媒体などの記録補助手段に頼らない、純粋に人の頭の中に残っている記憶のことを意味します。

2)unaided memoryが使われる場面

unaided memoryは、秘密保持契約のResidual Information(残留情報条項)の中で出てくる表現です。

以下のように使われます。(青字部分)

『秘密情報の開示を受けた受領者の従業員の純粋な記憶unaided memoryに残る残留情報については、受領者は、自由に利用することができる』(例文②をご覧ください)

残留情報とは、開示者の秘密情報にアクセスした受領者の従業員の記憶に残るアイデアやノウハウのような情報のことを意味します。(例文①をご覧ください)

このような規定が入ると、受領者が第三者から正当に取得した情報や公知情報などと同様に、受領者の従業員の純粋な記憶に残った残留情報秘密情報に該当しない情報として扱われることになり、開示者にとっては、秘密保持契約そのものが無意味になるリスクがあり、注意が必要とされています。

詳しくは、Residual Information(残留情報条項)の解説と例文をご覧ください。

2.例文と基本表現:

(注):unaided memoryは、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。

1)unaided memory – 例文①

Residual Information(残留情報条項)からです。残留情報の具体例を挙げています。

The term “Residual Information” means ideas, concepts, know-how, experience, techniques, or any combination thereof contained in Discloser’s Confidential Information that are retained in the unaided memory of Recipient’s employees as a result of access to that Confidential Information authorized under this Agreement. However, a person’s memory is not unaided if they intentionally memorize such Confidential Information so as to reduce it to a non-tangible form for the purpose of creating Residual Information.

(訳):

残留情報」の用語は、本契約に基づき承認された機密情報にアクセスした結果、受領者の従業員の純粋な記憶に残った、開示者の機密情報に含まれるアイデア、コンセプト、ノウハウ、経験、技術、またはそれらの組み合わせを意味する。 ただし、当該機密情報を意図的に記憶して、残留情報を作成することを目的に具体的な形にしない場合は、その者の純粋な記憶ではない。

(注):

*Residual Informationは、残留情報と訳されます。

*thereofは、それらの、そのという意味です。前のideas, concepts, know-how, experience, techniquesの部分を指しています。 

*Discloserは、開示者という意味です。 

*retained in the unaided memoryは、純粋な記憶に残ると訳しています。

*Recipientは、受領者という意味です。 

memory is not unaidedは、直訳すると記憶が補助されるですが、純粋な記憶ではないと訳しています。 

*intentionallyは、意図的にという意味です。 

*reduceは、ここでは、~にする、変えるという意味です。

*non-tangible formは、直訳すると無形のという意味ですが、具体的な形にしないと訳しています。

2)unaided memory – 例文②

Residual Information(残留情報条項)からです。残留情報は自由に利用できることを規定しています。

Each party acknowledges that the other may already possess or have developed products or services similar to or competitive with those of the other party disclosed in the Confidential Information. Further, either party shall be free to use for any purpose the residuals (defined below) resulting from access to or work with Confidential Information disclosed hereunder. The term “residuals” means information in non-tangible form which may be retained in the unaided memory by employees who have had access to the Confidential Information so long as such employees have not studied the information for the purpose of replicating the same from memory. Neither party shall have any obligation to limit or restrict the assignment of such employees or to pay royalties for any work resulting from the use of residuals. The party using any information that it claims to be residuals will have the burden of proving that the information constitutes residuals.

(訳):

各当事者は、他方当事者が機密情報において開示された製品もしくはサービスと類似し、もしくは競合する製品もしくはサービスをすでに保有し、または開発している可能性があることを認識する。さらに、いずれの当事者も、本契約に従って開示された機密情報へのアクセスまたは機密情報の取り扱いから生じる残留情報(以下に定義する)をいかなる目的にも自由に使用できるものとする。「残留情報」の用語は、機密情報にアクセスした従業員が記憶から複製することを目的として情報を調査していなかったことを条件に、その従業員の純粋な記憶に残った無形の情報を意味する。いずれの当事者も、当該従業員の業務割り当てに制限を設けたり、残留情報の使用による業務についてロイヤリティーを支払う義務を負わないものとする。残留情報であると主張する情報を使用する当事者は、その情報が残留情報にあたることを立証する責任を負う

(注):

*acknowledgesは、認識するという意味です。

*be free toは、自由に~できるという意味です。

*residualsは、残留情報と訳されます。

*hereunderは、本契約に従ってという意味です。

*non-tangible formは、無形のという意味です

*be retained in the unaided memoryは、純粋な記憶に残ったと訳しています。

*have not studied the informationは、情報を調査していなかったという意味です。 

*replicatingは、複製するという意味です。

*the assignmentは、業務割り当てと訳しています。

*claims to be residualsは、残留情報であると主張するという意味です。

*have the burden of provingは、を立証する責任を負うという意味です。

*constitutesは、~にあたるという意味です。

 

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