契約書の用語 - 「この限りでない」と「妨げない」の違い

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1.「この限りでない」

「この限りでない」は、前に出てくる規定の全部または一部の適用について、特定の場合に除外したり、否定するときに使います。

そして、ほとんどは、本文のあとに「ただし、。。。この限りでない」というように用いられます。

使用例:

「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。」(民法5条)

「代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。 」 (民法115条)

2.「妨げない」

「妨げない」 は、ある事項について別の規定の適用があるかどうかはっきりしない場合に、その適用が除外されるものでないことを示すことを明らかにするために用いられます。

使用例:

「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。 」 (民法242条)

「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。 」 (民法256条)