In no eventとUnder no circumstancesの意味と例文

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英文契約書で否定の強調に使われる表現のIn no eventUnder no circumstancesについて解説します。 例文をとりあげ、要点と対訳と語注をつけました。

1.解説:

1) In no eventとは

In no event は、いかなる場合も~しないと訳されます。

否定を強調するときに用いられる表現です。

Limitation of Liability(責任制限条項)で、

当事者の賠償責任の制限を明確にする

ときに、よく使われます。

なお、Limitation of Liability(責任制限条項)とは、

契約違反がおきた場合に、高額な賠償請求に備えるため、当事者が直面する賠償責任を制限する

ことを定めた契約条文のことをいいます。

In no eventいかなる場合も~しない )の次に、shall(~するものとする)と組み合わせて、

In no event shall

という表現形式でよく使われます。
(下記の例文①例文②をご覧ください)

2)Under no circumstances

否定を強調する似た表現に、Under no circumstances があります。

Under no circumstances は、いかなる状況においても~しないと訳されます。

Under no circumstances(いかなる状況においても~しない) も、同様に

Limitation of Liability(責任制限条項)でよく用いられます。
(下記の例文③例文④をご覧ください)

2.例文と基本表現:

(注):例文①から例文④は、いずれも、Limitation of Liability(責任制限条項)からです。

(注):In no eventUnder no circumstancesは、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。

1) In no event(いかなる場合も~しない)の例文 ①

いかなる場合も、特別損害については、責任を負わない、で否定が強調されています。

In no event shall either party be liable to the other for special, consequential, punitive or exemplary damages under this agreement.

(訳):

いかなる場合も、いずれの当事者も、他方当事者に対して、本契約に基づく特別、結果的又は懲罰的損害については、責任を負わないものする。

(注):

*special, consequential, punitive or exemplary damagesは、特別、結果的又は懲罰的損害という意味です。詳しくは、consequential damagesとpunitive damagesの意味と例文をご覧ください。なお、punitive or exemplary damagesは、同義語を並べた強調表現です。

2) In no event(いかなる場合も~しない)の例文 ②

いかなる場合も、当事者の累積責任は、 支払いの総額を超えない、で否定が強調されています。

IN NO EVENT SHALL EITHER PARTY’S AGGREGATE LIABILITY ARISING OUT OF OR RELATED TO THIS AGREEMENT, WHETHER ARISING OUT OF OR RELATED TO BREACH OF CONTRACT, TORT (INCLUDING NEGLIGENCE) OR OTHERWISE, EXCEED THE TOTAL AMOUNT PAID.

(訳):

本契約に起因又は関連した一方当事者の累積責任は、 いかなる場合も、契約、不法行為(過失を含む)又はその他の違反に起因又は関係するかに関わらず、支払いの総額を超えないものとする。

(注):

*大文字での表記の理由について:Limitation of Liability(責任制限条項)のように、賠償責任を制限するため当事者に不利となる条項は、 Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典) の規定を考慮して、大文字で書かれていることが多くあります。

なお、Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典)とは、各州の州法基本法となっている米国において、ビジネスが複数の州をまたぐ場合に、各州の企業が互いにビジネスを行いやすくするために制定された法典です。

*AGGREGATE LIABILITYは、累積責任という意味です。

*ARISING OUT OF OR RELATED TOは、に起因又は関係するという意味です。

*TORTは、不法行為という意味です。詳しくは、tortの意味と例文をご覧ください。

*OR OTHERWISEは、若しくはその他のという意味です。詳しくは、or otherwiseの意味と例文をご覧ください。

3)Under no circumstances(いかなる状況においても~しない)の例文 ③

いかなる状況においてもウェブサイトの使用による損害の責任を負わない、で否定が強調されています。

Organisation, its affiliates or third parties who are involved in the implementation of a service will under no circumstances be liable for any damages, costs, loss of profit, loss, consequential loss, loss of privacy or loss of information for direct or indirect use or operation of the Website.

(訳):

サービスの運用に従事する組織、その関連会社若しくは第三者は、いかなる状況においても、ウェブサイトの直接的若しくは間接的な使用若しくは操作による、あらゆる損害、費用、逸失利益、損失、間接損害、プライバシーの損失、又は情報の損失については、責任を負わない

(注):

liable forは、責任を負うという意味です。詳しくは、liable forの意味と例文をご覧ください。

*loss of profitは、逸失利益という意味です。

*consequential lossは、間接損害という意味です。

4) Under no circumstances(いかなる状況においても~しない)の例文 ④

Under no circumstances(いかなる状況においても~しない)whatsoever(少しの~もない)の組み合わせで、否定を更に強調しています。

Under no circumstances whatsoever shall seller’s liability in connection,directly or indirectly, with any contract exceed the total amount paid by buyer to seller for the goods which are the subject of the contract in connection with which the liability arises.

(訳):

いかなる状況においても、契約に直接的又は間接的に関連した売主の責任は、責任の発生に係る契約の対象商品について、買主が売主に支払った合計金額を超えないものとする。

*whatsoeverは、少しの~もないという意味です。くわしくは、whatsoeverの意味と例文をご覧ください。

*in connection withは、に関連した、に係るという意味です。

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