be construedの意味と例文

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英文契約書の基本表現であるbe construedとその関連表現について、とりあげます。 併せて、be construedがどのように使われるかについて、例文で示しました。

1.解説

1) be construed とは:

be construedは、解釈されるという意味になります。

同じ意味の表現に、be interpreted(解釈される)があります。

be construedという表現は、通常、英文契約書に置かれる、

Governing Law(準拠法条項)

で使われます。

なお、Governing Law(準拠法条項)とは、

契約の解釈の基準となる法律をどの国の法律にするのか

について取り決めた契約条項のことをいいます。

Governing Law(準拠法条項)は、米国のような州から成る連邦国家を相手とする契約であれば、どこの州の法律を基準にするのかについて定めた契約条項となります。

2)be construed (解釈される)を使った表現 :

be interpreted(解釈される)は、通常、以下のような表現形式で使われます。

これらの表現形式は、いずれも、上記で解説した英文契約書のGoverning Law(準拠法条項)で登場します。

be construed in accordance with ~:

 ~に従って解釈されるという意味です。
 (下記の例文①をご覧ください)

be construed and interpreted:

 be construedbe interpretedは、同義語を並べた強調表現です。
 解釈されると訳されます。(下記の例文②をご覧ください)

be governed by and construed in accordance with the laws of~:

 ~の法律に準拠しそれに従って解釈されるという意味です。
 (下記の例文③をご覧ください)

be construed and enforced in accordance with ~:

 ~に従って解釈され執行されるという意味です。
 (下記の例文④をご覧ください)

3)(追加解説):解釈の原則がなぜ重要なのか

be construed(解釈される)という表現は、契約書に書かれた内容が、もし後であいまいだったり、複数の意味に取れたりした場合に、どのように判断されるべきかを定めます。

これは、将来の誤解やトラブルを防ぐために非常に重要な考え方です。

契約書は、当事者間の合意を文字にしたものです。

しかし、どれほど注意深く作成しても、予期せぬ状況や、文言の解釈のずれが生じる可能性があります。

例えば、以下のような問題が起こることがあります。

曖昧な表現:
「合理的な範囲で(reasonably)」や「速やかに(promptly)」といった、具体的な基準が不明確な言葉。

矛盾する条項:
契約書内の異なる条項間で、内容が食い違って見える場合。

契約書に書かれていない事柄:
想定していなかった事態が発生し、契約書に明確な規定がない場合。

このような場合に、「〇〇国の法律に従って解釈される」と定めることで、その国の裁判所や仲裁人が、その国の法律や判例(過去の類似の判断例)に基づいて、契約当事者が「本当は何を意図していたのか」 を判断する際の基準が明確になります。

もし、この「解釈の基準」が契約書で明確に定められていなかった場合、将来トラブルになった際に、どの国の法律を適用すべきか、その国のどの解釈原則に従うべきか、という点で争いが生じる可能性があります。

これは、解決までに時間や費用がかかり、予測できない結果につながるリスクを高めます。

したがって、「be construed」という表現、そして準拠法条項は、単なる定型句ではなく、将来の紛争を予防し、契約当事者の意図が正しく理解されるための「羅針盤」 のような役割を果たす、非常に重要な条項なのです。

2.例文:

(注):例文①~例文④は、いずれもGoverning Law(準拠法条項)からです。

1)be construed in accordance with ~(~に従って解釈される) – 例文①  

This Agreement shall be construed in accordance with English law.

(訳):

本契約は、英国法に従って解釈されるものとする。

2)be construed and interpreted(解釈される) – 例文②  

This Agreement shall be construed and interpreted under the Laws of the State of Colorado.

(訳):

本契約は、コロラド州の法律に基づいて解釈されるものとする。

3)be governed by and construed in accordance with the laws of~(~の法律に準拠しそれに従って解釈される) – 例文③  

This Purchase Contract shall be governed by and construed in accordance with the laws of the State of California.

(訳):

本購買契約は、カリフォルニア州の法律に準拠し同法に従って解釈されるものとする。

4)be construed and enforced in accordance with ~(~に従って解釈され執行される) – 例文④  

This Agreement shall be construed and enforced in accordance with the laws of the State of California.

(訳):

本契約は、カリフォルニア州の法律に従って解釈され執行されるものとする。

 

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