実印と認印

1.押印の種類-実印と認印

印鑑には、実印と認印があります。

1)実印

実印とは、個人の場合は、住民登録している市区町村に登録している印鑑です。

会社の場合は、本店所在地の法務局に登録している印鑑をいいます。 会社の場合は、法務局に代表者を登録します。

印鑑の印鑑証明書は、いつでも市区町村や法務局で受けることができます。

実印は、公的機関である市区町村や法務局から交付を受けた印鑑証明書を添付することにより、本人の印に間違いがないという公的な証明を受けることになります。

押印は、これら登録した印鑑である実印で行うのが正式なやり方です。

2)認印

認印は、印鑑登録していない印鑑です。実印以外の印鑑はすべて認印です。

すでに他の文書にも同様の印が押されている、あるいは印鑑の押印に立ち会っていた人の証言などにより、押印したかどうかの本人の意思を確認することができます。

その場合でも、会社の調印者が、「 取締役之印 」、あるいは「支店長之印」などの会社の役職印を持っている場合は、役職印による印も求めます。

2.押印の効力:

契約書に使用する印鑑については、実印であっても認印であっても、契約書の効力には影響はありません。

しかし、通常、押印したかどうかの事実は、本人以外の第三者にはわかりません。万が一、契約当事者本人が契約を締結したかどうかが問題となったときは、印鑑証明書によって、その人の印鑑の印影であることを証明できます。 認印よりも実印が使用されていた場合のほうが、トラブル防止の点からは安全といえます。

そのため、重要な契約書の締結する場合には、実印で押印し、印鑑証明書を添付するよう求めた方が確実です。 たとえば、契約書に甲乙以外に連帯保証人の表示をして、署名押印(記名押印)をしてもらう場合などには、実印を押印してもらい、印鑑証明を添付してもらう場合などです。

なお、会社の場合は、社印(たとえば、印影が「○○株式会社之印」となっている四角い大型の印)を押すことが多いです。社印は飾り印ともいわれており、社印だけでは法的な効力をもちませんので、注意が必要です。社印は、省略しても、法的には問題ありません。