Non-Disclosure Agreement(英文秘密保持契約)の解説と要点

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Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約)とはどのような契約なのか、その基本となる一般条項主要条項の要点は何かについて、三者契約にする要領も含めて、解説します。

(目次)
1.Non-Disclosure Agreementとは
  二者契約から三者契約に変更するには
2.Non-Disclosure Agreementの構成と要点
 1)Recitals(前文)
 2)Definitions(定義条項)
 3)Use of Confidential Information(秘密情報の用途
   制限)
 4)Non-disclosure Obligation(秘密保持義務)
 5)Non-confidential Information(秘密情報に該当
   しない情報)
 6)Scope of Receiving Party(受領当事者の範囲)
 7)Ownership of Confidential Information(秘密情報の
   所有権)
 8)No Warranty(非保証条項)
 9)No Grant of Rights(権利の留保)
 10)Injunctive Relief(差し止め条項)
 11)Return of Information(秘密情報の返還)

1.Non-Disclosure Agreementとは

Non-Disclosure Agreementとは、秘密保持契約のことを意味します。

秘密保持契約は、当事者間で取引を開始する前の段階において、取引の検討のために必要とされる秘密情報について、

秘密情報の用途、秘密保持義務、受領当事者の範囲、秘密情報の返還方法などの秘密情報の取り扱いルールを定めた契約

のことをいいます。

Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約、略称はNDA)は、別名称で、

Confidentiality Agreement

とも呼ばれます。

(ご参考):

秘密保持契約を二者契約から、三者契約に変更するには:

最低限、以下の変更が必要となります:

二者契約のeither party(一方当事者)の部分を、三者契約の場合は、each party(各当事者)に変更します。

二者契約のthe other party(相手方当事者)の部分を、三者契約の場合は、the other parties(他方当事者)に変更します。

他に、その当事者(=三番目の当事者)についての権利及び義務の条文の追加も必要となりますので、ご注意ください。

2.Non-Disclosure Agreementの構成と要点

Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約)において、基本となる一般条項と 主要条項の構成は、以下の項目1)から項目11)とおりです。

これら各項目は、英文契約書の契約条項に該当します。

(ご参考):

一般条項主要条項については、くわしくは、

英文契約書の構成(structure of contract )

General Provisions(一般条項)とPrincipal provisions (主要条項)

をご覧ください。

以下に、各条文についての解説が続きます。

1)Recitals(前文)

Recitalsとは、英文契約書に置かれる前文という意味です。

前文とは、契約の締結に至るまでの経緯、背景などを説明した条文のことをいいます。

ここでは、Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約)を締結するに至った経過と、

confidential information(秘密情報)を開示・交換する目的

を記載します。

(ご参考):

前文については、くわしくは、

RecitalsとWITNESSETHとWhereas clauseの意味と例文

をご覧ください。

Definitions(定義条項)

Definitions(定義条項)とは、

当事者間で、用語の意味を正確に定義することにより、その解釈に食い違いがおきないようにする

ことを狙いとする条項です。

Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約)においては、以下の用語がキーワードとなります。

confidential information(秘密情報)

disclosing party(開示当事者)

receiving party(受領当事者)

これらの用語の定義を行います。

特に、

①のconfidential information(秘密情報)の範囲の特定する

ことが重要です。

(ご参考):

用語の定義については、くわしくは、

Definitions(定義条項)

の記事をご覧ください(例文あり)。

Use of Confidential Information(秘密情報の用途制限)

receiving party(受領当事者)によるconfidential information(秘密情報)

秘密保持

目的外の使用禁止

について取り決めます。

Non-disclosure Obligation(秘密保持義務)

receiving party(受領当事者)によるconfidential information(秘密情報)

non-disclosure obligation(秘密保持義務)

について取り決めます。

Non-disclosure Obligation(秘密保持義務)については、その存続期間も規定します。

(ご参考):

・秘密保持義務については、

Confidentiality(秘密保持条項)

をご参考にしてください(例文あり)。

・存続期間については、くわしくは、

Survival(存続条項)

をご覧ください(例文あり)。

Non-confidential Information(秘密情報に該当しない情報)

non-disclosure obligation(秘密保持義務)の対象とならない情報

を取り決めます。

(ご参考):

秘密情報に該当しない情報については、くわしくは、

Non-Confidential Information(秘密情報の例外条項)

をご覧ください(例文あり)。

Scope of Receiving Party(受領当事者の範囲)

confidential information(秘密情報)開示範囲

を取り決めます。たとえば、

receiving party(受領当事者)の開示範囲について、need to know(知る必要がある)の表記を入れての対象者を限定する

ことなどです。

(ご参考):

・秘密情報の開示範囲については、くわしくは、

Disclosures(秘密情報の開示範囲条項)

をご覧ください(例文あり)。

・need to know(知る必要がある)の表現については、くわしくは、

need to knowの意味と例文

をご覧ください。

Ownership of Confidential Information(秘密情報の所有権)

confidential information(秘密情報)は、その開示後も、

disclosing party(開示当事者)に帰属するexclusive property(排他的な財産)

であることを取り決めます。

No Warranty(非保証条項)

disclosing party(開示当事者)は、confidential information(秘密情報)を、

as is(現状有姿で)で開示し、何らの保証をしない

ことを取り決めます。

(ご参考):

No Warranty(非保証条項)については、くわしくは、

Warranty Disclaimer(保証の排除・免責条項)

as isとas is where isの意味と例文

をご覧ください(例文あり)。

No Grant of Rights(権利の留保)

秘密情報の開示を受けたreceiving party(受領当事者)に対し、

秘密情報についてのgrant of rights(使用権)を認めたわけでない

ことを取り決めます。

10Injunctive Relief(差し止め条項)

receiving party(受領当事者)に、non-disclosure obligation(秘密保持義務)breach(違反)のおそれがある場合は、

irreparable harm(取り返しのつかない損害が生じた場合、disclosing party(開示当事者)に対しinjunctive relief(差し止め救済)の権利を認める

ことを取り決めます。

(ご参考):

差し止め条項については、くわしくは、

Injunctive Relief(差止め条項)

をご覧ください(例文あり)。

11Return of Information(秘密情報の返還)

disclosing party(開示当事者)の請求があれば、

receiving party(受領当事者)は、confidential information(秘密情報)を速やかに返還する

ことを取り決めます。

(ご参考):

秘密情報の返還については、くわしくは、

Return or Destruction of Information(情報の返還・廃棄条項)

をご覧ください(例文あり)。

 

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