as isとas is where isの意味と例文

【この記事でわかること】

  • 英文契約書における「as is」「as is where is」「with all faults」の正確な意味と適切な和訳
  • なぜこれらの条項が大文字(ALL CAPS)で記載されるのかという法的根拠(UCCの規定)
  • 類似・代替表現(with all faults / without warrantyなど)との意味の違いと実務上の使い分け
  • 「現状有姿」取引において売主・買主双方が押さえるべき実務上の注意点とリスクヘッジ策
  • 実務でそのまま使える契約書例文と、重要語句の詳細な解説

英文契約書(特に売買契約や不動産取引契約、M&A関連契約など)の保証条項(Warranty Clause)において、「AS IS」「AS IS, WHERE IS」という表現は頻繁に登場します。
これらは日本語で一般に「現状有姿(げんじょうゆうし)で」と訳されますが、法的には「売主が目的物の品質や状態に関する瑕疵(不具合)について一切の保証を行わず、買主が現状のままのリスクを引き受ける」という強力な免責効果を持っています。
本記事では、英文契約書の実務で必須となる「as is」関連表現の厳密な意味、大文字表記の法的理由、類似表現との使い分け、さらには実用的な例文と訳例までを網羅して分かりやすく解説します。

1. as is / as is where is の基本概念と意味

「as is」(アズ・イズ)は、目的物(製品、機械、不動産、中古品など)を「現状のまま」「ありのままで」引き渡すことを意味する法的な定型句です。日本の民法における「現状有姿(引き渡し時点の物理的・法的状態そのままで)」に相当します。

主に使用される表現パターンと和訳

  • as is : 現状有姿で / 現状のままで
  • as is, where is : 現状有姿・現置場所で / 現状のままで(置かれている場所のままで)
  • on an “as is” basis / on an “as is, where is” basis : 現状有姿条件で / 現状有姿のままの状態で

ここでいう「where is」は、物理的に「その目的物が現在存在する場所・設置されている状態のまま」移動や撤去のコストも含めて買主が負担して引き取る、というニュアンスを強調した表現です。ただし、法律上の効果としては「as is」単独であっても「as is, where is」であっても、売主の品質保証責任を全面的に除外(免責)するという点において同等と扱われます。

2. なぜ大文字で表記されるのか(米国統一商事法典 UCC §2-316の要件)

英文契約書の保証条項(Warranty Clause)や免責条項(Disclaimer Clause)を見ると、以下のように「”AS IS, WHERE IS”」とすべて大文字(ALL CAPS)で記載されているケースが極めて多く存在します。これには明確な法律上の理由があります。

【米国統一商事法典(UCC: Uniform Commercial Code)の規定】

米国取引を規律する商法体系であるUCC第2条(売買)の§2-316(3)(a)では、黙示の保証(Implied Warranties:商品性や特定目的適合性の保証)を排除(免責)するためには、その旨を目立つように(Conspicuous)記載しなければならないと定められています。また、同条文内において「”as is” や “with all faults” といった表現を用いることで、すべての黙示の保証を排斥できる」旨が明示されています。

契約の当事者(特に買主)に対して「保証が免責されていること」を明確に注意喚起し、後から「そんな重大な免責条項があるとは知らなかった」と主張されるリスク防ぐために、実務上は大文字表記(ALL CAPS)や太字(Bold)が厳格に用いられています。

3. 類似・代替表現との違いと実務上の使い分け

「as is」と類似した意図で用いられる英語表現にはいくつかの種類が存在します。実務において正しく読み分け・使い分けができるよう、それぞれのニュアンスと違いを整理しました。

表現 主な和訳 実務的な特徴とニュアンス
AS IS 現状有姿で 最も一般的かつ標準的な現状有姿条項。全ての不具合リスクを買主へ転嫁する。
AS IS, WHERE IS 現状有姿・現置場所で 不動産、大型プラント、大型機械等の売買で好まれる。「引き取り場所・引渡場所の状態を含めて現状のまま」であることを強調する。
WITH ALL FAULTS 一切の不具合を問わず 「欠陥や故障が存在すること」を前提としたより強い表現。UCC§2-316に直接規定された定型句であり、「AS IS, WITH ALL FAULTS」と併記されることが多い。
WITHOUT WARRANTY OF ANY KIND いかなる種類の保証もなく より一般概念的な「保証排除」の表現。ソフトウェアライセンスや各種サービス提供などで汎用的に使われる。

実務での使い分けのポイント

法的な免責効果は上記のいずれも「売主の保証責任排除」ですが、動産や中古機械の売買では「AS IS, WITH ALL FAULTS」不動産や設置場所からの撤去を伴う資産売買では「AS IS, WHERE IS」を選択するのが英米法務の実務慣行として最も定着しています。

4. 売主・買主それぞれのリスク管理と実務上の注意点

【買主側のリスクと対策(デューデリジェンスの徹底)】

契約書に「AS IS」条項が挿入された場合、買主は購入後に予期せぬ不具合、構造上の欠陥、隠れた瑕疵(隠れたる不具合)が発見されたとしても、原則として売主に対して修理費用の請求や損害賠償請求、契約解除を行うことが一切できなくなります。

そのため、買主側としては契約締結前に以下のデューデリジェンス(Due Diligence:事前調査)を完遂することが絶対条件となります。

  • 物理的現地試査(Physical Inspection):専門家(エンジニア、建築士等)による実際の動作確認や状態診断を実施する。
  • 権利・法的適合性調査:目的物が各種法規制(環境基準や建築基準など)を満たしているか、第三者の権利(担保権等)が設定されていないか調べる。
  • 例外規定の交渉:「原則としてAS ISとするが、売主が明示的に本契約内で表明保証した事項(Express Representations & Warranties)についてはこの限りではない」という但し書きを必ず残す交渉を行う。

【売主側の実務上のポイント】

売主側としては、単に「as is」と1箇所に書くだけでは不十分とされるケースがあります。「AS IS」という文言に加え、「Implied Warranty of Merchantability(商品性の黙示保証)」および「Implied Warranty of Fitness for a Particular Purpose(特定目的適合性の黙示保証)」を明示的に否定・排除する条文を大文字で組み合わせて記載することが、完全な免責を得るための実務上の鉄則です。

5. 英文契約書の例文と解説

実務でよく見られる主要パターン別の例文です。青文字の定型表現と、注記による解説を参考にしてください。

例文①:「AS IS」と「with all faults」の組み合わせ(店舗・不動産賃貸借)

“The execution and delivery of this Lease by Tenant shall be conclusive evidence, as against Tenant, that Tenant accepts the Premises “AS IS”, with all faults.”

(和訳)
賃借人による本賃貸借契約の締結および交付は、賃借人に対して、賃借人が本物件を不具合の有無を問わず「現状有姿で」受諾したことの決定的な証拠とする。

【注記・解説】
The execution and delivery:(契約の)締結および交付。「締結」を意味する同義語の重ね合わせ(重言表現)です。
conclusive evidence:決定的な証拠、覆すことのできない証拠。

例文②:単独の「as is」と表明保証の限定(資産売買契約)

“Except as specifically provided in this Contract, Seller makes no representations or warranties to Buyer with respect to the condition of the Property and Buyer shall take title to the Property in its “as is” condition as of the date of Closing.”

(和訳)
本契約において明示的に規定されている場合を除き、売主は物件の状態に関して買主に対し一切の表明保証を行わず、買主はクロージング日時点における「現状有姿」の状態で物件の所有権を取得するものとする。

【注記・解説】
Except as specifically provided in:〜で明確に規定されている場合を除き。
makes no representations or warranties:一切の表明保証を行わない。英文契約書の最頻出フレーズの一つです。
take title to:〜の所有権を取得する。

例文③:「AS IS, WHERE IS」と「WITH ALL FAULTS」のフルセット表現

“Subject to the express representations and warranties of Seller set forth in this Agreement, the Property is being sold in an “AS IS, WHERE IS” condition and “WITH ALL FAULTS” as of the date of this Agreement.”

(和訳)
本契約に規定される売主の明示の表明保証に従うことを条件として、本物件は本契約日付現在における「現状有姿・現置場所で」かつ「一切の不具合を問わない」状態で売買されるものとする。

【注記・解説】
Subject to:〜に従うことを条件として、〜を前提として。
set forth in:〜に規定された、〜に記載された。

例文④:ON AN “AS IS, WHERE IS” BASISの構文(大型動産取引)

“BUYER ACKNOWLEDGES THAT AS A MATERIAL CONDITION OF THE TRANSACTIONS CONTEMPLATED BY THIS AGREEMENT, BUYER IS ACQUIRING THE PROPERTY ON AN “AS IS, WHERE IS” BASIS EXCEPT AS OTHERWISE EXPRESSLY PROVIDED IN THIS AGREEMENT.”

(和訳)
買主は、本契約で別段明示的に規定される場合を除き、本契約で予定されている取引の重大な条件として、「現状有姿・現置場所条件」で物件を取得することを承認する。

【注記・解説】
MATERIAL CONDITION:重大な条件、本質的条件。
TRANSACTIONS CONTEMPLATED BY:本契約で予定されている取引。
EXCEPT AS OTHERWISE EXPRESSLY PROVIDED IN:本契約で別段明示的に規定されている場合を除き。

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