訳:
(義務や責任を)負う、実施する
意味合い:
undertake((義務や責任を)負う、実施する)は:
当事者が契約上、特定の実務行為や法的義務、または一定の責任を引き受けて自ら実行することを明確に表明・誓約する動詞です。自発的かつ確実にその行為を行うという強い意思と実行義務を含意する表現です。
法的解釈:
undertake((義務や責任を)負う、実施する)は:
契約上の法的義務(Covenant)を有効に成立させる効果を持ちます。当事者がこの動詞を用いて義務を引き受けたにもかかわらず不実行であった場合、相手方は契約違反(Breach of Contract)として履行の強制や損害賠償請求、あるいは契約解除を主張する法的根拠となります。
実務のヒント:
undertake((義務や責任を)負う、実施する)は:
「shall undertake」の形式で法的義務を創出する文脈や、例文のように「neither party shall undertake any liability(いかなる責任も負わない)」として責任の受容を否定する文脈の双方で活用されます。義務の明確化だけでなく、免責や責任制限の境界線を引く手段としても実務上多用されます。
類似・関連する用語との違い:
- assume(を引き受ける・負う)との違い:
assumeは他人の債務や既存のリスク、責任を「第三者から引き継いで自らのものとする」意味合いで多く用いられます。これに対し、undertakeは自ら能動的に特定の義務や行為を引き受けて実施する点に違いがあります。 - bear(を負担する)との違い:
bearは主に費用、損失、リスク、損害などを「金銭的・実質的に受忍・負担する」場合に使用されます。これに対し、undertakeは行為や責任全般を主体的に負う点に違いがあります。 - perform(を実行する・履行する)との関係:
performは引き受けた義務や作業を実際に「やり遂げる・実行に移す」プロセスそのものを表します。実務上、undertakeで義務を負い、その義務をperformで履行するという補完関係にあります。
用法:
undertake((義務や責任を)負う、実施する)は:
主に、英文契約書のLimitation of Liability(責任制限条項)などで使用されます。
- (文脈): 当事者が相手方に対して負うべき責任の限度を設定し、不測の間接損害等の負担を否定・排除する文脈で使用されます。
- (例文での役割): サービス履行に伴って発生した間接的・派生的な損害について、当事者が一切の法的な責任や負担を引き受けない(負わない)ことを明確に宣言する役割を果たしています。
例文 undertake((義務や責任を)負う、実施する):
【Limitation of Liability(責任制限条項)より】
Except as otherwise expressly provided in this Agreement, neither party shall undertake any liability or obligation for any indirect, incidental, or consequential damages arising out of the performance of the services, regardless of whether such liability is based on breach of contract, tort, or any other legal theory.
(日本語訳)
本契約に別段の明示的な定めがある場合を除き、いずれの当事者も、契約違反、不法行為、またはその他の法理に基づくか否かを問わず、本サービスの履行に起因する間接損害、付随的損害、または派生的損害について、いかなる責任または義務も負わないものとする。
例文の注記:
- Except as otherwise expressly provided in this Agreement(本契約に別段の明示的な定めがある場合を除き)は: 本条項の原則的な責任制限に対し、他の条項で特別に定めた例外(補償規定など)を優先させる調整文言です。契約全体の条項間の矛盾を解消し、優先関係を明確にする機能を果たします。
- neither party shall undertake any liability or obligation for(いずれの当事者も~についていかなる責任または義務も負わないものとする)は: 指定された損害について当事者が責任を一切引き受けないことを定める強力な免責規定です。想定外の賠償請求から当事者を保護し、リスク範囲を画定する効果をもたらします。
- arising out of the performance of the services(本サービスの履行に起因する)は: 免責の対象となる損害の原因を、提供されるサービスの実施・履行行為に結び付ける因果関係の規定です。事業活動の中で生じた損害の責任範囲を的確に特定する役割を担います。
- regardless of whether such liability is based on breach of contract, tort, or any other legal theory(契約違反、不法行為、またはその他の法理に基づくか否かを問わず)は: 賠償請求の主張の立て方にかかわらず、あらゆる法的根拠を網羅した免責文言です。請求名目を不法行為などに切り替えて責任追及してくる訴訟戦術を排除する効果を発揮します。