訳:
認められた目的、許容される目的
意味合い:
permitted purpose(認められた目的、許容される目的)は:
英文契約書において、開示された秘密情報や、供与されたライセンス・権利を、当事者が使用・行使することが明示的に許可された具体的な範囲や使途を指します。通常、秘密保持条項や知的財産権の利用条項において、当事者の活動領域を制限し、それ以外の目的で使用されることを防ぐための核心的な定義語として登場します。
法的解釈:
permitted purpose(認められた目的、許容される目的)は:
当当事者に対して「その目的の範囲内でのみ行為を行う」という限定的な法的拘束力を有します。本目的の範囲を超えて情報や権利が使用された場合(目的外使用)、その事象がそのまま直ちに契約違反(Breach of Contract)または権利侵害を構成し、相手方に使用差し止めや損害賠償請求権を与える法的な基本要件を形作ります。
実務のヒント:
permitted purpose(認められた目的、許容される目的)は:
実務上、この用語を用いる際は、単に「本業務のため」といった曖昧な記述にせず、契約書の冒頭や定義条項において「〇〇に関する共同開発の検討」など、客観的に成否を判定できる具体的な定義を厳格に指定する必要があります。目的外使用による技術流出や、自社の不利益となる第三者への利益誘導を防ぐために、この範囲をどこまで絞り込むかが、実務上最大の紛争予防策となります。
類似・関連する用語との違い:
- intended purpose(意図された目的)との違い:
intended purposeは、対象となる製品やシステムがその性質上本来想定されている一般的な用途や設計上の目的を指します。これに対してpermitted purposeは、製品の性質に関わらず、当事者間の合意によって「契約上、これに限定して使用を許可する」と明示的に画定された目的を指すという違いがあります。 - authorized use(許可された使用)との関係:
authorized useは、実際に認められた具体的な「使用行為そのもの」に焦点を当てた表現です。これに対してpermitted purposeは、その行為を行う動機や到達点である「目的・使途の範囲」を指します。法的な関係として、permitted purpose(認められた目的)に従ってなされる具体的な運用のあり方が、authorized use(許可された使用)に該当するという包含・目的と手段の関係にあります。 - Scope of Use(使用範囲、利用範囲)との違い:
Scope of Useは、使用できる地域、期間、ユーザー数、デバイスの数など、利用に関する「物理的・数量的な境界線」を広く指す言葉です。これに対してpermitted purposeは、そうした外的な枠組みの内部で、その情報や技術を使って「何を達成しようとしているのか」という、行為の目的・使途そのものを厳格に縛る言葉です。法的な相違点として、数量や場所の制限を扱う前者に対し、後者は行為の動機や実務的な方向性を縛るという対象の捉え方における違いがあります。
用法:
permitted purpose(認められた目的、許容される目的)は:
主にConfidentiality(秘密保持条項)で使用されます。
- (文脈):開示当事者から提供された情報の利用範囲を特定の目的のみに縛り、事前の同意なくそれ以外の用途や第三者の利益のために流用されるのを厳格に制限する文脈です。
- (例文での役割):秘密情報の使用を本契約で特定された目的のみに厳格に限定し、事前の書面同意のない目的外使用や第三者への利益提供行為を包括的に禁止する役割を果たしています。
例文 permitted purpose(認められた目的、許容される目的):
【Confidentiality(秘密保持条項)より】
The Receiving Party shall use the Confidential Information disclosed by the Disclosing Party solely and exclusively for the permitted purpose specified in this Agreement, and shall not use such Confidential Information for any other purpose or for the benefit of any third party without prior written consent.
(日本語訳)
受領当事者は、開示当事者から開示された秘密情報を、本契約に定める認められた目的のためにのみ使用するものとし、事前の書面による同意なしに、当該秘密情報を他の目的のために、または第三者の利益のために使用してはならない。
例文の注記:
- solely and exclusively(もっぱら~のためにのみ)は: 多少の例外や重複の解釈を一切認めず、指定された使途に対してのみ完全かつ排排他的に限定することを要求する、実務上極めて強い義務付け表現です。
- specified in this Agreement(本契約に定める)は: 契約書の別の場所や定義条項で厳格に確定された文言を指し、口頭のやり取りなどで範囲が勝手に拡張されるのを防ぐ法的な拠点を確定させます。
- for the benefit of(~の利益のために)は: 競合他社への技術提供や、自社の別事業への流用など、開示当事者にとって不利益となる第三者への経済的・実務的メリットの供与を網羅的に禁止する表現です。
- without prior written consent(事前の書面による同意なしに)は: 例外を認める条件を明確にし、変更には必ず「双方のサインがある書面」が必要であることを強いる、実務上必須の防御フレーズです。