訳:
各々の、それぞれの
意味合い:
respective(各々の)は:
複数の当事者や対象が存在する場合に、それらを一括りにせず、個々の当事者に個別に帰属・対応していることを表す形容詞です。全体として一重に義務を負うのではなく、「当事者AにはAの、当事者BにはBの」という形で、各自の領域や持ち分を分離して整理する際に用いられます。
法的解釈:
respective(各々の)は:
権利の帰属や義務の履行、あるいは住所などの客観的事実について、「連帯」や「混合」を明確に排除する法的な効力を持ちます。各自が個別に責任を負う範囲(個別責任)を画定し、他方の当事者の事情や不履行に巻き込まれないように関係性を法的に切り離す役割を果たします。
実務のヒント:
respective(各々の)は:
例文のように「respective addresses(各々の住所)」として通知先を個別に指定する場合や、「respective obligations(各自の義務)」としてそれぞれの担当業務を分担する場合によく使われます。実務上、契約当事者が複数いる場合に、誰がどこに、あるいは何に対して責任を持つのかを明確にするための不可欠な文言です。
類似・関連する用語との違い:
- each(それぞれの)との違い:
eachは個々の要素を「一つずつ個別に数え上げる」という個体への意識が強い表現です。これに対し、respectiveは複数の対応関係(AはAへ、BはBへ)が「並行して個別に結びついている」という対比構造をスッキリ表す点に違いがあります。 - several(個別の)との違い:
severalは法律用語として「連帯(joint)」の対義語であり、法的責任が「分割されている」ことを強く意味します。これに対し、respectiveは責任に限らず、住所や持ち物などの事実関係が「各自のものである」と割り振る際に広く使われます。 - respectively(それぞれ)との関係:
respectivelyは同単語の副詞形です。契約書の末尾などで「当事者AおよびBは、それぞれ別紙1および別紙2に…」のように、名詞の並び順と対応関係を一致させる際によく使用されます。
用法:
respective(各々の)は:
主に、英文契約書のNotices(通知条項)などで使用されます。
- (文脈): 契約に関する重要な通知を送付する際、相手方の宛先を混同せず、それぞれの当事者が公式に登録した個別の住所へ正確に送達する文脈で使用されます。
- (例文での役割): 通知の送付先が、それぞれの当事者が契約の冒頭で明示した「各自の固有の住所」であることを特定し、誤送や送達未済のリスクを防ぐ役割を果たしています。
例文 respective(各々の、それぞれの):
【Notices(通知条項)より】
All notices, requests, demands and other communications required or permitted under this Agreement shall be in writing and shall be deemed to have been duly given when delivered personally or sent by certified mail to the parties at their respective addresses specified in the introductory paragraph of this Agreement.
(日本語訳)
本契約に基づき必要とされる、または認められるすべての通知、請求、要求およびその他の連絡は、書面によるものとし、本契約の冒頭の段落に記載された当事者の各々の住所宛てに、手渡しで交付された場合、または書留郵便により送付された場合に、適法になされたものとみなされる。
例文の注記:
- shall be in writing(書面によるものとし)は: 口頭での連絡による誤解や証明不能のリスクを排除し、すべての重要な通知を証拠として残すことを義務付ける規定です。将来の言った言わないの紛争を確実に予防します。
- shall be deemed to have been duly given(適法になされたものとみなされる)は: 一定の条件(手渡しや書留)を満たして通知が送られた場合、相手方が実際に読んだかどうかにかかわらず、法的に通知が到達したと扱う擬制規定です。相手方の受領拒否による手続きの遅延を防ぎます。
- at their respective addresses(各々の住所宛てに)は: 通知の送付先を、当事者各自が公式に指定した個別の場所へと限定する文言です。個々の送り先を明確に分けることで、通知の到達確認を個別に追跡可能にする効果があります。
- specified in the introductory paragraph(冒頭の段落に記載された)は: 通知先住所の確認元を契約書内の特定の場所に紐付ける規定です。契約期間中に住所変更があった場合の基準点を明確にし、通知の確実な送達を保証します。