訳:
別段の表示がない限り
意味合い:
unless otherwise indicated(別段の表示がない限り)は:
契約書内の記載、数値、単位、解釈基準について、個別に記号や明示的な注記がない場合に適用される基本ルールを設定する表現です。「特に記されていない限りはデフォルトの基準に従う」という前提を提示する意味を表します。
法的解釈:
unless otherwise indicated(別段の表示がない限り)は:
契約文書全体の数値や表記に関する解釈の一貫性を保ち、記載漏れや解釈の曖昧さに起因する当事者間の認識のズレを防止する効果を持ちます。各数値ごとに単位や条件を繰り返し記載する冗長さを避けつつ、明確な解釈基準を確定する機能を果たします。
実務のヒント:
unless otherwise indicated(別段の表示がない限り)は:
支払い通貨の指定(例:米ドル)、計算単位、タイムゾーン、日数の計算(営業日かカレンダー日か)などを規定する条項で用いられます。実務上は、本文や別紙(Schedule/Exhibit)の各数値の横に異なった記号や注記を記載した際、それが優先される構造を整えておくことが重要です。
類似・関連する用語との違い:
- unless otherwise specified(別段の指定がない限り)との違い:
大枠の意味はほぼ同じですが、indicatedは「文字や記号で明記・表示されていること」に焦点を当てるのに対し、specifiedは「明確に条件指定されていること」に焦点を当てる点に違いがあります。 - unless otherwise stated(別段の記載がない限り)との違い:
statedは文章による記述を指すことが多いのに対し、indicatedは記号、別紙の表、図示などによる表示も広く含む点に違いがあります。 - as indicated in(〜に表示されているとおり)との関係:
as indicated inは別紙や別添書類に記載された指示に従うことを直接示すのに対し、unless otherwise indicatedは明記がない場合の前提ルールを規定する関係にあります。
用法:
unless otherwise indicated(別段の表示がない限り)は:
主に、英文契約書のPayment(支払条項)などで使用されます。
- (文脈): 契約書内に登場する金銭的な数値や予算について、個別の通貨記号がない限りすべて指定の基準通貨(米ドル等)として扱う文脈で使用されます。
- (例文での役割): 通貨単位の未記載による解釈の紛争を防ぎ、別段の表示がない限り一律で米ドル表示とみなす解釈基準を確立する役割を果たしています。
例文 unless otherwise indicated(別段の表示がない限り):
【Payment(支払条項)より】
All financial references, currency amounts, budget projections, and payment calculations specified within the body of this Agreement or its attached schedules shall be deemed to be expressed in United States Dollars, unless otherwise indicated by an explicit statement or a distinct currency symbol next to the respective numeric figures.
(日本語訳)
本契約の本文またはその添付別紙内で指定されるすべての財務上の数値、通貨額、予算予測、および支払計算は、明示的な記載または各数値の横に付された特定の通貨記号によって別段の表示がない限り、米ドルで表示されているものとみなされる。
例文の注記:
- All financial references, currency amounts, budget projections(すべての財務上の数値、通貨額、予算予測)は: 通貨基準が適用される計算や表記の対象を漏れなく網羅して指定する規定です。解釈の漏れを防ぐ効果を持ちます。
- shall be deemed to be expressed in United States Dollars(米ドルで表示されているものとみなされる)は: 契約内の数値を原則として米ドル建てと確定させる法的看做し(みなし)規定です。通貨の不一致による支払トラブルを排除します。
- unless otherwise indicated(別段の表示がない限り)は: 各数値の直近に異なる通貨指定がある場合にのみ原則を解除する例外規定です。部分的な異種通貨の混在に対応可能にします。
- by an explicit statement or a distinct currency symbol(明示的な記載または各数値の横に付された特定の通貨記号によって)は: 例外として認められる「表示」の具体的な形態を指定する規定です。不鮮明な表示や曖昧な記載を無効化する役割を果たします。