訳:
① ~を保管する、保持する
② (~であると)みなす
③ ~と判示する、~と判断する
意味合い:
訳①~を保管する場合: 物理的な物件や資料を、所有者に代わって 占有・管理 することを指します。
訳②~とみなす場合: 契約条項の効力について、特定の 法的状態にあると確定 させることを指します。
訳③~と判示する場合: 裁判所や仲裁機関が、紛争解決の過程で 最終的な司法的結論 を下すことを指します。
法的解釈 (Legal Interpretation):
訳①~を保管する場合: 保管者に対して、 善管注意義務 を伴う継続的な「保持」と、適切な環境下での管理を法的に義務付けます。
訳②~とみなす場合: 「is held to be」の形で、主観的な推測ではなく、 客観的な基準 によってその条項が無効・執行不能であることを確定させます。
訳③~と判示する場合: 管轄権を有する機関が、法律および事実に基づき当事者を拘束する 公式な判断 を意味し、判決(Holding)の核心となります。
実務のヒント (Practical Tip):
訳①~を保管する場合: 保管場所の指定や、 事前の同意なしに移動を禁じる規定 とセットで運用されるのが実務上の定石です。
訳②~とみなす場合: 分離条項において、 deem(みなす)よりも「認定された」 という響きが強くなり、一部無効の基準点として機能します。
訳③~と判示する場合: 裁判所が主語となるため、その判断が 「final and binding」 であることを担保する条項との整合性に注意が必要です。
類似・関係する用語との違い:
- keep(保管する)との違い:
keepが事実上の維持を指すのに対し、holdは契約上の保管責任や 善管注意義務を伴う法的な占有 を意味します。 - deem(みなす)との関係:
is held to be は、裁判所や客観的運用によって 「そのように結論づけられた」 というニュアンスが強調されます。
用法:
訳①~を保管する場合: Custody of Property(物件の保管) などの条項で使用されます。
訳②~とみなす場合: Severability(分離条項) などの条項で使用されます。
訳③~と判示する場合: Dispute Resolution(紛争解決) などの条項で使用されます。
例文1(訳1:~を保管する、保持する):
【物件の保管条項(Custody of Property)より】
The User shall hold and protect the Property in a secure environment at all times, and shall not remove such Property from the designated location without prior written consent from the Owner.
(日本語訳)
利用者は、常時安全な環境において本物件を 保管し 、かつ維持するものとし、所有者による事前の書面による同意なく、当該物件を指定された場所から移動させてはならない。
例文1の注記:
- hold and protect:保管し、かつ維持する。毀損や紛失を防ぐための積極的な管理義務が含まれています。
- secure environment:安全な環境。保管場所に求められる具体的な質的基準であり、これに反すると契約違反となります。
- prior written consent:事前の書面による同意。物件の移動を制限し、エビデンス確保を義務付けています。
例文2(訳2:(~であると)みなす):
【分離条項(Severability)より】
If any provision of this Agreement is held to be invalid or unenforceable, the remaining provisions shall continue in full force and effect as if such invalid provision had never been included.
(日本語訳)
本契約のいずれかの規定が無効、または執行不能であると みなされた 場合、残りの規定は、当該無効な規定が最初から含まれていなかったかのように、引き続き完全な効力を有するものとする。
例文2の注記:
- is held to be invalid:無効であるとみなされる。権限ある機関によって、条項の法的効力が否定された状態を指します。
- full force and effect:完全な効力。一部が無効になっても、残存部分の有効性を維持する核心的表現です。
- as if … had never been included:最初から含まれていなかったかのように。無効部分を切り離して継続させるための擬制表現です。
例文3(訳3:~と判示する、~と判断する):
【紛争解決条項(Dispute Resolution)より】
In the event that a court of competent jurisdiction at any time holds that any provision of this Agreement is unenforceable, such ruling shall be final and binding upon the parties involved.
(日本語訳)
管轄権を有する裁判所が、本契約のいずれかの規定を執行不能であるといついかなるときに 判示した場合 においても、当該判決は関係当事者を最終的に拘束するものとする。
例文3の注記:
- court … holds that :裁判所が~と判示する。裁判所が法的な結論を下す際の標準的な表現です。
- unenforceable:執行不能な。裁判所による強制執行が認められない状態を指します。
- final and binding :最終的に拘束する。裁判所の判断が確定し、従う義務があることを強調しています。