impracticable

訳:

実行不可能な

意味合い:

単に「困難である」というレベルを超え、契約締結時には予期できなかった外部要因によって、義務の履行が事実上不可能、あるいは極めて過酷な状態になったことを指します。

法的解釈 (Legal Interpretation):

英米法上の「履行不能(Impossibility)」をさらに実務的に広げた概念(Commercial Impracticability)です。履行に多大な費用がかかるなど、商業的に見て履行を強制することが合理的でないと判断される状態を含みます。

実務のヒント (Practical Tip):

不可抗力条項(Force Majeure)において、「履行不能(impossible)」と並んでよく使われます。impossible が「物理的な不能」を指すのに対し、impracticable は「極めて困難かつ不合理」というニュアンスを含みます。ただし、単なる価格の高騰や為替の変動は、通常これに該当しないと解釈されるため注意が必要です。

類似・関係する用語との違い:

  • impossible(不可能な) との違い:
    物理的・法律的に履行が全くできない状態を指します。一方、impracticable は履行自体は物理的に可能でも、極端な困難や費用を伴う場合を含みます。
  • feasible(実行可能な) との関係:
    impracticable の対義語として、義務が技術的・商業的に実施可能であることを表す際に使われます。

用法:

主に Force Majeure(不可抗力条項) や義務の履行条件において、免責が認められる基準として使用されます。

例文(impracticable:実行不可能な):

【Force Majeure(不可抗力条項)より】
Neither party shall be liable for any failure to perform its obligations if such performance is rendered impracticable by circumstances beyond its reasonable control, including, but not limited to, acts of God or war.

(日本語訳)
天災地変または戦争を含むがこれらに限定されない、合理的な支配を超える事情により義務の履行が実行不可能となった場合、いずれの当事者もその義務の不履行について責任を負わないものとする。

例文の注記:

  • rendered impracticable(実行不可能となった):外部的な事情によって、履行が不可能な状態に追い込まれたことを表します。
  • circumstances beyond its reasonable control(合理的な支配を超える事情):当事者の努力ではどうすることもできない外部的要因を指す定型句です。
  • acts of God(天災地変):地震や洪水などの自然災害を指す法律用語です。