訳:
改良・グラントバック条項
意味合い:
ライセンシー(実施権者)が、ライセンスを受けた技術に基づいて行った「改良(Improvement)」の成果について、ライセンサー(許諾者)に対しても使用を認める(再許諾する)ことを定めた条項です。
法的解釈 (Legal Interpretation):
ライセンサーが、自らの技術を貸した相手がさらに優れた技術を開発した際に、自分がそれを使えなくなる(締め出される)ことを防ぐための防衛的な条項です。ただし、ライセンシーに一方的に不利な条件(独占的かつ無償での譲渡など)を課すと、独占禁止法(Antitrust Law)上の不当な取引制限に抵触する恐れがあるため注意が必要です。
実務のヒント (Practical Tip):
グラントバックには「独占的(exclusive)」なものと「非独占的(non-exclusive)」なものがありますが、実務上は非独占的かつ無償(royalty-free)とするのが一般的で、法的リスクも低くなります。また、契約終了後もライセンサーが使い続けられるよう「perpetual(永続的な)」という言葉がよく添えられます。
類似・関係する用語との違い:
- grant-back(グラントバック) との関係:
「(譲り受けたものを)戻して許諾する」という意味です。improvement とセットで語られることが多いため、この条項名で呼ばれます。 - cross-license(クロスライセンス) との関係:
互いに技術を融通し合うことですが、グラントバックは「元となるライセンス技術」が存在することが前提となっている点が異なります。
用法:
Intellectual Property(知的財産権条項) 内の一条項として、あるいは独立した条項として設けられます。
例文(Improvements and Grant-back Clause:改良・グラントバック条項):
【Improvements and Grant-back Clause(改良・グラントバック条項)より】
The Licensee hereby grants back to the Licensor a non-exclusive, royalty-free, perpetual license to use any improvement developed by the Licensee related to the Licensed Technology during the term of this Agreement.
(日本語訳)
ライセンシーは、本契約の期間中、ライセンシーが開発したライセンス技術に関連するいかなる改良についても、非独占的、無償かつ永続的な実施権をライセンサーにグラントバック(再許諾)する。
例文の注記:
- hereby grants back(ここにグラントバックする):本契約の締結をもって、自動的に再許諾が行われることを宣言しています。
- non-exclusive, royalty-free, perpetual(非独占的、無償、永続的):ライセンサーがコストをかけず、ずっと使い続けられることを保証する3要素です。
- related to(~に関連する):グラントバックの対象となる改良の範囲を「ライセンス技術に関連するもの」に限定しています。