訳:
どの点においても、いかなる点でも
意味合い:
範囲、内容、性質などのあらゆる側面において、例外なく適合していることを指します。
法的解釈 (Legal Interpretation):
「重要性(Materiality)」による限定を排除した、極めて厳格な保証基準です。一つでも事実に反する点や不完全な点があれば、それは直ちに契約違反(表明保証違反)を構成するという、強い法的拘束力を持たせるために使用されます。
実務のヒント (Practical Tip):
表明保証(Representations and Warranties)において、情報の「真実性(true)」「完全性(complete)」「正確性(accurate)」とセットで使われます。情報を提出する側は、責任を限定するために in all material respects(すべての重要な点において) への修正を求めるのが実務上の定石です。
類似・関係する用語との違い:
- in all material respects(すべての重要な点において)との関係:
最大の対照語です。in any respect は「微細な誤りも許さない」のに対し、in all material respects は「結論に影響しない些細なミスは問わない」という合理的な緩和が含まれます。 - in all respects(あらゆる点で)との関係:
ほぼ同義ですが、in any respect は否定文や「any(いかなる~も)」の文脈で、「どの側面を切り取っても」という個別の検証に焦点を当てるニュアンスが強まります。 - without limitation(制限なく)との関係:
without limitation は「例示がすべてではない」ことを示しますが、in any respect は「提示された内容そのものの質」に一切の不備がないことを指します。
用法:
主に Representations and Warranties(表明保証条項) や Covenants(誓約事項) において、適合性の厳格さを定義するために使用されます。
例文では、提供情報の正確性について「いかなる点においても(in any respect)」と規定することで、誤解を招くような記述(misleading statement)を一切排除し、情報の質に対して100%の責任を負わせる機能を果たしています。
例文(in any respect:どの点においても、いかなる点でも):
【Representations and Warranties (表明保証条項)より】
Each Party represents and warrants to the other that any information provided to the other party in connection with this Agreement is true, complete and accurate in any respect and does not contain any misleading statement.
(日本語訳)
各当事者は相手方に対し、本契約に関連して相手方に提供された情報がいかなる点においても真実、完全かつ正確であり、誤解を招くような記述を含んでいないことを表明し、保証する。
例文の注記:
- true, complete and accurate(真実、完全かつ正確な):情報の信頼性を担保するための三拍子揃った定型表現です。
- misleading statement(誤解を招くような記述):明らかな嘘だけでなく、事実を隠したり歪めたりして相手を誤認させる行為も禁止しています。
- represents and warrants(表明し、保証する):事実の正確性を誓約し、違反時には損害賠償義務を負うことを約束する重要表現です。