訳:
しかるべき時に、しかるべき手続きを経て
意味合い:
物事が本来あるべき順序に従って、または適切なタイミングで進行することを指します。単に「いつか」という曖昧な表現ではなく、「正当な手順を踏んだ上で、遅滞なく行われる」というニュアンスを含みます。
法的解釈 (Legal Interpretation):
義務の履行について、具体的な日付を特定できないものの、「通常の商慣習や手続き上必要とされる標準的な期間内」に完了させるべき法的な期待値を設定する表現です。
実務のヒント (Practical Tip):
契約終了後の残務処理など、物理的に即時の対応が難しい事項に用いられます。ただし、権利者側としては、履行を確実にするために within a reasonable period(合理的な期間内に) などの補足表現を検討することもあります。
類似・関係する用語との違い:
- promptly(速やかに)との関係:
promptly は「すぐに行う(スピード)」に重点がありますが、in due course は「手順を飛ばさず、適切な順序で(プロセス)」行うことに重点があります。 - forthwith(直ちに)との関係:
forthwith は遅滞を一切許さない緊急性を伴いますが、in due course は「しかるべき事務処理の完了」を待つ時間的猶予を含みます。 - at its convenience(便宜に従って)との関係:
at its convenience は履行者の主観的な都合に左右されますが、in due course は客観的に見て妥当な事務手続上の期間」という制約が働きます。
用法:
主に Return of Confidential Information(秘密情報の返還条項) や Termination(終了条項) で使用されます。
例文(in due course:しかるべき時に、しかるべき手続きを経て):
【Return of Confidential Information (秘密情報の返還条項)より】
Upon the termination of this Agreement for any reason, the Receiving Party shall, in due course and in accordance with the internal administrative procedures of the Receiving Party, return to the Disclosing Party or permanently destroy all Confidential Information and all copies thereof.
(日本語訳)
理由の如何を問わず本契約が終了した際、受領当事者は、しかるべき手続きを経て、かつ受領当事者の内部事務手続きに従い、すべての秘密情報およびその複製物を、開示当事者に返還または永久に破棄するものとする。
例文の注記:
- Upon the termination of this Agreement for any reason(理由の如何を問わず本契約が終了した際): 期間満了、合意解約、債務不履行による解除など、あらゆる終了原因を網羅し、例外なく返還義務を課しています。
- in accordance with the internal administrative procedures(内部事務手続きに従い): 大企業間などでは即時の物理的返還が難しいため、社内の承認フローや情報管理規定に則った適正なプロセスを踏む猶予を明示しています。
- permanently destroy all Confidential Information and all copies thereof(秘密情報およびその複製物を永久に破棄): 単なる消去ではなく「復元不可能な破棄」を求め、かつ原本だけでなくバックアップや写しすべてを対象とすることで、情報漏洩リスクを最小限に抑えています。