訳:
一切~ない、決して~ない
意味合い:
「一部であっても、どのような方法(way)であっても」という「態様」の全否定を強調する表現です。既存の権利や法的救済が、契約の規定によって削られたり限定されたりすることを徹底的に否定する際に使われます。
法的解釈 (Legal Interpretation):
累積的救済条項(Cumulative Remedies)において、「契約に書いてある救済手段は、法律上の権利を少しも(in no way)侵害しない」ことを保証します。これにより、契約上の権利行使が法律上の他の権利放棄(waiver)とみなされるリスクを回避する法的効果があります。
実務のヒント (Practical Tip):
契約書の文言は、時に既存の法律を上書きしてしまう(任意規定の排除)ことがあります。権利を守る側としては、in no way exclusive of(法律上の権利を一切排除しない) と入れておくことで、契約外の法的手段を予備として確保しておくことができます。
類似・関係する用語との違い:
- by no means(決して~ない)との関係:
ほぼ同義ですが、by no means は「解釈の余地がない」ことを強調し、in no way は「どのような手段や方法によっても(影響を及ぼさない)」という包括性を強調します。 - exclusive of(~を独占して/排除して)との関係:
exclusive of は他の選択肢を締め出しますが、in no way exclusive of は「他の選択肢を締め出すものではない」という二重否定による「非排他性」を示します。 - strictly(厳格に)との関係:
strictly は適用を狭める際に使われますが、in no way は「制限を一切設けない」という拡大・維持の文脈で機能します。
用法:
主に Cumulative Remedies(累積的救済条項)、Relationship of the Parties(独立当事者条項) で使用されます。
例文(in no way:一切~ない、決して~ない):
【Cumulative Remedies(累積的救済条項)より】
The rights and remedies provided under this Agreement are cumulative and are in no way exclusive of any rights or remedies provided by law, unless otherwise expressly stated in this Agreement.
(日本語訳)
本契約で定められる権利および救済措置は累積的なものであり、本契約に別途明示的な規定がない限り、法律で定められたいかなる権利または救済措置を一切排除するものではない。
例文の注記:
- rights and remedies are cumulative(権利および救済措置は累積的なものである): 「契約上の救済を使ったから、もう法律上の権利は使えない」という二者択一を否定し、複数の救済を重ねて行使できることを確認しています。
- exclusive of any rights provided by law(法律上の権利を排除する): 本来備わっているはずの法的権利が、契約によって「上書き消滅」させられることを防ぐための安全装置です。
- unless otherwise expressly stated(別途明示的な規定がない限り): 契約の他の部分で「これに関しては法律の権利を排除する」とあえて明確に書いている場合のみを例外として認める、非常に慎重な表現です。