訳:
部分的に
意味合い:
全部ではなく「その一部において」という意味です。契約義務の履行や不履行、または権利の行使が、全体のうち特定の部分にのみ及んでいる状態を指します。
法的解釈 (Legal Interpretation):
債務不履行(Default)の文脈では、たとえ「大部分(90%)」を履行していても、「一部(in part)」でも不履行があれば契約違反を構成するという厳しい基準を設けるために使われます。これにより、不完全な履行(不完全履行)を法的に明確化します。
実務のヒント (Practical Tip):
修正条項や譲渡条項において、in whole or in part(全部または一部を)というセットフレーズでよく使われます。これにより、「全部譲渡はダメだが一部なら良いだろう」といった解釈の余地を排除し、一部であっても規制の対象に含めることができます。
類似・関係する用語との違い:
- in whole(全部を)との関係:
in part の対義語です。in whole or in part と並記することで、「一部であろうと全部であろうと、一律にルールを適用する」という網羅性を持たせます。 - partially(部分的に)との関係:
ほぼ同義ですが、in part はよりフォーマルな法的表現として、(全体の構成要素としての)一部」を指す際に好んで使われます。 - pro rata(比例して)との関係:
pro rata は「割合に応じて(分配する)」という計算の姿勢を指しますが、in part は単に「全体のうちのどこか一部」という範囲を指します。
用法:
主に Events of Default(債務不履行事由の条項)、Assignment(譲渡条項)、Severability(分離可能性条項) で使用されます。
例文(in part:部分的に):
【Events of Default(債務不履行事由の条項)より】
An Event of Default shall occur if the Borrower fails to perform its obligations in part under this Agreement, and such failure continues for a period of ten days after receiving written notice from the Lender.
(日本語訳)
借主が本契約に基づく義務を部分的に履行しなかった場合、かつ、貸主から書面による通知を受領した後10日間にかかる不履行が継続したときは、債務不履行事由が発生したものとみなされるものとする。
例文の注記:
- fails to perform its obligations in part(義務を部分的に履行しなかった): 「重要でない一部なら許される」という甘えを許さず、些細な不履行であっても契約解除などの引き金(デフォルト事由)になり得ることを示しています。
- continues for a period of ten days(10日間継続した): 単なる遅れではなく、「通知を受けてから10日」という猶予期間(キュアピリオド)を経過しても直さない場合に、初めて重大な違反(Event of Default)となる仕組みです。
- written notice from the Lender(貸主からの書面による通知): 債務不履行を成立させるためには、貸主側が「違反しているぞ」という正式な記録(エビデンス)を残さなければならないという手続き的要件を定めています。