訳:
~を所持している
意味合い:
ある特定の物や情報が「誰の手元にあるか」という主体の状態を表します。特に「秘密情報を現在持っている側」を特定する際に使われます。
法的解釈 (Legal Interpretation):
義務を負うべき当事者を「所持している当事者(A party in possession of…)」という形で指定します。これにより、契約締結時には予測できなかった、実際に情報を受け取った(所持した)者すべてに対して、一律に返還や保護の義務を課すことができます。
実務のヒント (Practical Tip):
no longer necessary(もはや必要ない)という条件と組み合わされることが多いです。契約が続いていても、特定のプロジェクトが終わり、情報を所持し続ける理由がなくなった時点で、速やかに返還させるための根拠となります。
類似・関係する用語との違い:
- in one’s possession(~の所持にある)との関係:
ほぼ同じ意味ですが、in possession of は後ろに「秘密情報(Confidential Information)」などの目的語を伴う形式で、所持している対象を強調する際に使われます。 - in charge of(~を担当している)との関係:
in charge of は責任者であることを指しますが、in possession of は「物理的に持っている」という事実に焦点を当て、返還義務の所在を明確にします。 - entrusted with(~を託されている)との関係:
entrusted with は「信頼して預けられた」という背景を含みますが、in possession of は「理由を問わず、現に持っている」という客観的事態を指します。
用法:
主に Return or Destruction of Confidential Information(秘密情報の返還・破棄条項) で使用されます。
例文(in possession of:~を所持している):
【Return or Destruction of Confidential Information(秘密情報の返還・破棄条項)より】
A party in possession of Confidential Information shall, upon termination of this Agreement or when such Information is no longer necessary for the execution hereof, promptly return or destroy all such Information and provide written certification of such destruction.
(日本語訳)
秘密情報を所持している当事者は、本契約の終了時、または当該情報が本契約の履行のために必要でなくなった時に、直ちに当該情報のすべてを返還または破棄し、当該破棄に関する書面による証明書を提出するものとする。
例文の注記:
- when such Information is no longer necessary(情報が必要でなくなった時に): 契約終了を待たずとも、目的を果たした情報は即座に手元からなくさせることで、保有期間中の流出リスクを最小化しています。
- execution hereof(本契約の履行): ここでの execution は署名ではなく「契約に定められた義務を実際に実行すること」を指し、そのために情報が不可欠かどうかを判断基準としています。
- promptly return or destroy(直ちに返還または破棄): 「速やかに」という時間的督促とともに、「返すか、消すか」という二択を提示し、情報が宙に浮いた状態にならないよう義務付けています。