in the possession of

訳:

〜の占有下にある、〜が保有する

意味合い:

単に物理的に持っているだけでなく、法律上の権利としてその対象を「事実上支配・管理している状態」を指します。秘密保持契約(NDA)においては、情報の帰属を判断する極めて重要な基準となります。

法的解釈 (Legal Interpretation):

秘密情報の例外(Exclusions)において、「開示前から既に持っていた(Already in possession)」という事実は、秘密保持義務を免れるための強力な抗弁となります。ただし、「適法に」保有していたことが前提であり、不法に取得した情報は含まれません。

実務のヒント (Practical Tip):

「既に保有していた」と主張するためには、客観的な証拠(日付入りのファイルや記録)が必要です。実務上は、demonstrable by written records(書面による記録で証明可能な)という文言を加え、証明のハードルを明確にすることが一般的です。

類似・関係する用語との違い:

  • under the control of(〜の支配下にある)との関係:
    control は物理的な保有だけでなく、子会社や委託先を通じて「間接的に指示・管理できる状態」まで含む、より広い概念です。
  • held by(〜によって保持される)との関係:
    ほぼ同義ですが、in the possession of は「法的な占有状態」をより強調し、裁判上の立証に関連する文脈で好まれます。
  • owned by(〜によって所有される)との関係:
    owned は「所有権」という究極の権利を指しますが、in the possession of は「所有権の有無に関わらず、現に持っている状態」に焦点を当てます。

用法:

主に Exclusions from Confidential Information(秘密情報の例外条項)Return of Property(財産の返還条項) で使用されます。

例文(in the possession of:〜の占有下にある、〜が保有する):

【Exclusions from Confidential Information(秘密情報の例外条項)より】
“Confidential Information” shall not include information which the Receiving Party can demonstrate was already in the possession of the Receiving Party at the time of disclosure by the Disclosing Party, provided that such information is not subject to another confidentiality obligation between the parties.

(日本語訳)
「秘密情報」には、開示当事者による開示の時点で、受領当事者が既に保有していたことを証明できる情報は含まれないものとする。ただし、当該情報が両当事者間の他の秘密保持義務に服していないことを条件とする。

例文の注記:

  • can demonstrate(証明できる): 単に「知っていた」と主張するだけでは不十分であり、「客観的な証拠による立証」が免責の絶対条件であることを示しています。
  • at the time of disclosure(開示の時点で): 秘密保持義務が発生する「時点」を明確に画定し、それ以前から保有していた情報の自由な使用を担保しています。
  • not subject to another confidentiality obligation(他の秘密保持義務に服していない): 既に保有していても、「他社との契約で秘密保持義務がある情報」については、本契約の例外として安易に扱うことを禁じています。