in transit

訳:

輸送中で、輸送中の

意味合い:

売主の施設を出発してから、買主の指定場所に到着するまでの「移動の過程」にある状態を指します。

法的解釈 (Legal Interpretation):

危険負担(Risk of Loss)の文脈で極めて重要です。輸送中に事故や紛失が発生した場合、「どちらの当事者がその損失を被るか」という責任の所在を決定する基準となります。通常、インコタームズ(Incoterms)との整合性が求められます。

実務のヒント (Practical Tip):

in transit のリスクをどちらが負うかは、価格設定に直結します。売主がリスクを負う場合は、「適切な保険を掛ける義務(Insurance obligation)」をセットで規定し、不測の事態に備えるのが実務上の定石です。

類似・関係する用語との違い:

  • during shipment(出荷中に)との関係:
    ほぼ同義ですが、in transit は「キャリア(運送業者)の手にある状態」という、物理的な移動の事実に重点を置いた表現です。
  • on delivery(引渡し時に)との関係:
    on delivery は「到着の瞬間」を指しますが、in transit は出発から到着までの「道中のプロセス全体」を指します。
  • at the port of loading(船積み港にて)との関係:
    at the port… は「地点」を限定しますが、in transit は地点を問わず「動いている間」すべてをカバーします。

用法:

主に Risk of Loss(危険負担条項)Delivery(引渡し条項)Insurance(保険条項) で使用されます。

例文(in transit:輸送中で、輸送中の):

【Risk of Loss (危険負担条項)より】
The Seller shall remain responsible for any loss of or damage to the Products while in transit until the delivery is completed in accordance with this Agreement. The risk of loss shall pass from the Seller to the Buyer only upon actual receipt of the Products by the Buyer.

(日本語訳)
売主は、本契約に従って引渡しが完了するまで、輸送中の本製品の滅失または毀損について引き続き責任を負うものとする。滅失の危険は、買主が本製品を現実に受領した時点をもって、売主から買主に移転するものとする。

例文の注記:

  • remain responsible for any loss(引き続き滅失に責任を負う): 輸送中の事故について、売主が「自分の過失がなくても責任を負う(危険負担を負う)」ことを明確にしています。
  • until the delivery is completed(引渡しが完了するまで): 責任が移転する「デッドライン」を引渡し完了時に設定し、輸送プロセス全体を売主の責任範囲としています。
  • upon actual receipt(現実に受領した時点): 単に指定地に届くだけでなく、買主が「現実に手に入れた」ことをリスク移転のトリガーとすることで、買主を保護しています。