訳:
全部または一部、全部または一部を
意味合い:
対象となる義務、権利、あるいは行為の範囲を限定せず、「その一部であっても、あるいはすべてであっても等しく適用される」ことを指します。
法的解釈 (Legal Interpretation):
再委託や権利譲渡の禁止条項において、「一部なら許可なく他人に任せてもいいだろう」という解釈の余地を完全に封殺する役割を持ちます。この表現がない場合、義務の根幹でない付随的な部分の移転が争点になるリスクがあるため、網羅性を確保するために必須の表現です。
実務のヒント (Practical Tip):
in whole or in part は「禁止」だけでなく「補償(Indemnification)」や「支払」でも重要です。損害の「一部」であっても補償義務が発生することを明確にすることで、責任逃れを防ぎます。
類似・関係する用語との違い:
- any portion of(〜のいかなる部分も)との関係:
意味は重複しますが、in whole or in part は「全体(100%)」と「部分(1〜99%)」の双方を対比させて明示するため、より法的網羅性が高いとみなされます。 - partially(部分的に)との関係:
partially は「不完全に」という意味合いを含むことがありますが、in whole or in part は「分量的・範囲的な区分」を客観的に指し示します。 - exclusively(専ら、独占的に)との関係:
対義的な要素を含みます。in whole or in part は「範囲の広がり」を、exclusively は「範囲の限定(それのみ)」を規定します。
用法:
主に Subcontracting(再委託条項)、Assignment(譲渡条項)、Indemnification(補償条項) で使用されます。
例文(in whole or in part:全部または一部、全部または一部を):
【Subcontracting(再委託条項)より】
The Seller shall not subcontract its obligations under this Agreement in whole or in part to any third party without the prior written consent of the Buyer. In the event of such subcontracting, the Seller shall remain fully responsible for the performance of its subcontractors.
(日本語訳)
売主は、買主の事前の書面による同意なく、本契約に基づく義務の全部または一部を第三者に再委託してはならない。かかる再委託がなされた場合であっても、売主は、再委託先の履行について引き続き一切の責任を負うものとする。
例文の注記:
- without the prior written consent(事前の書面による同意なく): 義務の履行主体の変更は買主の利益に直結するため、「売主の独断による再委託」を一切禁止し、事前の合意を絶対条件としています。
- in whole or in part(全部または一部を): 本来の業務だけでなく、「付随的な業務の一部」であっても第三者に任せる場合は同意が必要であることを確定させ、再委託の範囲に関する争いを排除しています。
- remain fully responsible(引き続き一切の責任を負う): 適法な再委託であっても、売主の責任は免除されず、「再委託先のミスは売主のミス」とみなす法的連帯責任を明確に規定しています。