訳:
書面で、書面により
意味合い:
口頭や黙示の合意ではなく、「物理的な紙、または電子メール等の文字として記録された形式」を指します。
法的解釈 (Legal Interpretation):
「完全合意(Entire Agreement)」や「修正(Amendment)」条項において極めて重要です。「書面による合意がない限り変更は無効(No oral modification)」というルールを課すことで、現場担当者の不用意な口約束によって契約内容が変質することを防ぐ法的な防波堤となります。
実務のヒント (Practical Tip):
現代では「書面」に電子メールが含まれるかどうかがしばしば争点となります。定義条項(Definitions)において、in writing includes electronic mail(書面には電子メールを含む)と明記するか、逆にexcludes electronic mail(電子メールを除く)とするかで、実務の機動性が大きく変わります。
類似・関係する用語との違い:
- in written form(書面形式で)との関係:
同義ですが、in writing の方がより簡潔で一般的です。いずれも「証拠としての記録性」を求めています。 - duly signed(適正に署名された)との関係:
in writing は「文字になっていること」を指しますが、duly signed はさらに「本人の確認(署名)があること」を条件に加えるため、より厳格な要件となります。 - by notice(通知により)との関係:
通知は通常 in writing であることが求められますが、by notice だけでは「口頭通知」が含まれる余地があるため、by written notice と重ねて表現するのが実務上の定石です。
用法:
主に Entire Agreement(完全合意条項)、Notices(通知条項)、Waiver(権利放棄条項) で使用されます。
例文(in writing:書面で、書面により):
【Entire Agreement(完全合意条項)より】
This Agreement contains the entire understanding between the parties regarding the subject matter hereof. No supplement, modification, or amendment of this Agreement shall be binding unless executed in writing by both parties. No waiver of any provision shall be effective unless it is confirmed in writing and signed by the party granting the waiver.
(日本語訳)
本契約は、本契約の目的事項に関する当事者間の完全な合意を規定するものである。本契約のいかなる補足、修正、または変更も、両当事者が書面により締結しない限り、当事者を拘束しないものとする。また、いかなる規定の放棄も、書面により確認され、かつ当該放棄を認める当事者が署名しない限り、効力を生じないものとする。
例文の注記:
- no supplement… shall be binding(いかなる補足も拘束しない): 契約締結後のやり取りで生じた「言った・言わない」の論争を排除し、「書面になった合意事項だけが法的な力を持つ」ことを確定させています。
- unless executed in writing by both parties(両当事者が書面により締結しない限り): 一方的な変更を認めず、「双方の署名(または合意)がある書面」を唯一の変更手段とすることで、契約の安定性を保護しています。
- no waiver… shall be effective(いかなる放棄も効力を生じない): 相手の不履行を一度黙認したからといって、「権利を永久に放棄したとみなされるリスク(Waiver)」を、書面の要件によって防御しています。