訳:
①(期間・範囲)~を含めて、当日を含む
②(金額・費用が)~込みの、~を含む
意味合い:
指定された数値、期間、または項目の範囲を確定させる際、端点や付随する費用が、その中に確実に入っていることを明示します。契約上の境界線を曖昧にせず、論争を未然に防ぐために機能します。
法的解釈 (Legal Interpretation):
期間については、both dates inclusive(両日を含む)と記すことで、初日と末日の算入を法的に確定させ、期間計算の解釈の相違を封じます。費用については、inclusive of all taxes(税込み)と記すことで、支払総額が内税であることを定義し、後からの追加請求を遮断する強力な効果を持ちます。
実務のヒント (Practical Tip):
期間計算では、inclusive がない場合、法域によっては「初日不算入」とされるリスクがあります。費用面では、inclusive か exclusive かの選択が、実質的な取引価格を変動させるため、見積書と契約書の整合性を厳密にチェックするのが実務の定石です。
類似・関係する用語との違い:
- including(〜を含む)との関係:
including は例示や一部としての包含に広く使われますが、inclusive は主に範囲の境界(端点)を客観的に確定させる際に好んで使われます。 - exclusive of(〜を除いて)との関係:
真逆の概念です。金額について exclusive とあれば、提示額とは別に税金が請求される追加負担(外税)が発生することを意味し、コスト管理上の重大な分岐点となります。 - through(〜から〜まで)との関係:
期間を示す際に through を使うことがありますが、より厳格な法務文書では both dates inclusive を添えて末日の終了時点まで確実に期間に含まれることを担保します。
用法:
主に Term(契約期間条項)、Payment(支払い条項) で使用されます。
- 例文1: 期間の初日と最終日の双方を計算に算入するという算定根拠を確定させる役割を担っています。
- 例文2: 提示された対価が追加費用の発生しない最終確定額であることを保証する役割を果たしています。
例文1((期間・範囲)~を含めて、当日を含む):
【Term(契約期間条項)より】
The term of this Agreement shall be for a period of two years, commencing on June 1, 2024, and expiring on May 31, 2026, both dates inclusive, unless sooner terminated in accordance with the provisions hereof or extended by a mutual written agreement signed by authorized representatives of both parties.
(日本語訳) 本契約の期間は、本契約の規定に従い早期に終了するか、または両当事者の権限ある代表者が署名した書面による相互合意により延長されない限り、2024年6月1日から2026年5月31日までの2年間とし、両日を含むものとする。
例文1の注記:
- both dates inclusive(両日を含む): 期間の開始日と終了日の双方を期間内にカウントすることを明確に規定し、契約の失効タイミングに関する1日単位の誤差を排除しています。
- unless sooner terminated(早期に終了しない限り): 定められた期間内であっても、例外的な解除権の存在を留保し、期間満了を待たずに終了させる可能性を明示しています。
- extended by a mutual written agreement(相互の書面合意により延長): 自動更新を否定し、両当事者の署名がある書面でのみ期間を延長できるとすることで、意図しない契約の継続を防止しています。
例文2((金額・費用が)~込みの、~を含む):
【Payment(支払い条項)より】
The Service Fee payable by the Client to the Contractor shall be inclusive of all taxes, levies, and duties imposed by any taxing authority, as well as all expenses incurred by the Contractor in connection with the performance of the Services, unless otherwise expressly agreed in writing by the parties.
(日本語訳)
当事者間で別途書面による明示的な合意がない限り、顧客が受託業者に支払うサービス料は、課税当局により課される一切の税金、徴収金、および関税、ならびに受託業者が本サービスの履行に関して負担した一切の費用を含むものとする。
例文2の注記:
- inclusive of all taxes(一切の税金を含む): 提示されたサービス料の中にあらゆる公租公課が含まれていることを確定させ、顧客側に対して後からの上乗せ請求を封殺しています。
- all expenses incurred(負担した一切の費用): 諸経費もサービス料に含まれることを示し、別途の実費精算を認めない方針を明確にしています。
- unless otherwise expressly agreed in writing(別途書面による明示的な合意がない限り): この原則を覆すには書面による明確な例外合意が不可欠であることを定め、不透明な追加請求を法的に排除しています。