訳:
個人、自然人
意味合い:
法人(Corporation)や団体ではなく、一人の生身の人間を指します。法的な文脈では、権利と義務の主体となる「自然人」を意味します。
法的解釈(Legal Interpretation):
特にGDPR(欧州一般データ保護規則)や国内の個人情報保護法においては、「識別された、または識別可能な自然人」として定義されます。契約上、individualという語が使われる場合、その対象は従業員、顧客、代理人などの「生身の人間」に限定され、企業のデータなどは含まれません。
実務のヒント(Practical Tip):
データ保護条項(Data Protection Clause)において、何を保護対象とするかを定義する際に重要となります。単に「データ」とするのではなく、relating to any individual(個人に関する)という言葉を添えることで、プライバシー保護の対象を明確化し、コンプライアンス上の責任範囲を確定させます。
類似・関係する用語との違い:
- Natural Person(自然人)との違い:
Natural Personは純粋な法学上の用語であるのに対し、Individualはより一般的かつ広範に「一人ひとりの人間」を指して契約実務で使われます。 - Legal Entity(法人)との違い:
Legal Entityは会社や組合などの「法律上の人格」を指すのに対し、Individualはそれらと対比される生身の人間を指します。 - Data Subject(データ主体)との関係:
個人情報保護の文脈では、individualは多くの場合、その情報の持ち主であるデータ主体を意味します。
用法:
主にData Protection(データ保護)、Privacy(プライバシー)、あるいはEmployment(雇用)関連の条項で使用されます。文脈としては、個人の権利保護や情報の取り扱いに関する義務を定める場面で用いられます。
例文(individual:個人):
The Receiving Party shall comply with all applicable data protection laws and regulations regarding the collection, processing, and use of Personal Data relating to any individual, and shall ensure that such data is handled in a manner that protects the privacy and legal rights of the individual.
(日本語訳)
受領当事者は、個人(自然人)に関する個人データの収集、処理、および利用に関し、適用されるすべてのデータ保護法規を遵守するものとし、当該データが当該個人のプライバシーおよび法的権利を保護する方法で取り扱われることを確実にするものとする。
例文の注記:
- relating to any individual(個人に関する): 特定の個人に紐付く情報(個人情報)であることを定義し、法律の適用範囲を画定しています。
- Personal Data(個人データ): 名前、住所、メールアドレスなど、個人を識別できる情報を指し、法的な保護対象となる重要語です。
- privacy and legal rights(プライバシーおよび法的権利): 単なる情報の保護に留まらず、肖像権や自己情報コントロール権などの法的な権利まで含めて保護することを約束しています。