訳:
それぞれ、個別に
意味合い:
複数の当事者が存在する場合に、それらを一括りにせず、一人ひとり(一社一社)を単独の主体として扱うことを指します。
法的解釈(Legal Interpretation):
「権利を行使する」あるいは「義務を負う」際に、複数の当事者が「個別に」責任を負うのか、あるいは「共同して(jointly)」負うのかを明確にするための副詞です。individuallyとあれば、他方の当事者の状態にかかわらず、その当事者単独でその法的効果が発生することを意味します。
実務のヒント(Practical Tip):
前文(Preamble)で当事者を定義する際、Company A and Company B are referred to individually as a ‘Party’と記述することで、その後の条文で「Party shall…」と書いた場合に、両社それぞれにその義務が適用されることを確実にします。これを怠ると、義務の主体が曖昧になるリスクがあります。
類似・関係する用語との違い:
- Collectively(総称して)との違い:
Collectivelyは複数の主体を「一つのグループ」として扱うのに対し、individuallyは一人ひとりを分離して扱います。 - Jointly(共同して)との関係:
Jointlyは「協力して一つの責任を負う」ニュアンスですが、individuallyは「各々が独立して責任を負う」ことを強調します。 - Severally(個別に)との関係:
法的にはseverallyも「個別に」を意味し、特に「連帯(joint and several)」の文脈で、各人が自身の分担分についてのみ責任を負うことを示す際によく使われます。
用法:
主にPreamble(前文)での当事者定義や、Liability(責任)、Obligations(義務)に関する条項で使用されます。文脈としては、権利・義務の帰属先を明確に限定する場面で用いられます。
例文(individually:個別に):
Company A and Company B are hereinafter referred to individually as a ‘Party’ and collectively as the ‘Parties’. This Agreement sets forth the terms and conditions under which the Parties agree to be bound individually and jointly regarding their respective obligations, liabilities, and any notices required hereunder.
(日本語訳)
以下、A社およびB社を、個別に(それぞれ)「当事者」といい、総称して「両当事者」と称する。本契約は、両当事者が本契約に基づくそれぞれの義務、責任、および必要とされる一切の通知に関し、個別に、または共同で拘束されることに合意する条件を定めるものである。
例文の注記:
- hereinafter referred to(以下~と称する): 契約書の冒頭で略称や定義語を導入する際の定型的な言い回しです。
- individually and jointly(個別に、または共同で): 各当事者が単独で責任を負う場合と、全員で連帯して責任を負う場合の両方を網羅する、リスク管理上重要な表現です。
- respective obligations(それぞれの義務): A社にはA社の、B社にはB社の役割があることを指し、責任の所在を混同させないための表現です。