訳 :
支払不能当事者、倒産当事者
意味合い :
契約当事者のうち、支払不能(Insolvency)の状態に陥ったり、破産手続きを開始したりする側を指します。解除条項(Termination)において、権利を行使する側(相手方)と、権利行使の対象となる側を明確に区別するために使用される呼称です。
法的解釈(Legal Interpretation) :
破産法においては、insolvent party が負っている未履行の債務をどう扱うかが問題となります。契約書で insolvent party に対する解除権を定めておくことは、倒産手続きの中で自社が不利な契約に縛り付けられるリスク(履行選択権の行使など)を最小限に抑えるための防御的な措置としての意味を持ちます。
実務のヒント(Practical Tip) :
条文内で「the other party(相手方)」と書くよりも、insolvent party と役割を特定することで、義務の承継や残存義務の規定が読みやすくなります。特に、insolvent party が発生させた解除前の債務は依然として有効である(remain in full force)と明記し、配当手続きでの請求を可能にしておくことが肝要です。
類似・関係する用語との違い :
- defaulting party(違反当事者) との関係:
insolvent party は、必ずしも契約に違反しているとは限りませんが、財務的な理由で「契約を継続できない当事者」として扱われる点で共通します。 - bankrupt party(破産当事者) との違い:
bankrupt party は裁判所が破産を宣告した後に使われる傾向がありますが、insolvent party はその前段階の支払不能状態にある者も包括します。 - debtor(債務者) との関係:
倒産手続きの中では insolvent party は debtor(債務者)と呼ばれますが、契約実務では「契約の主体」としての地位を強調するためにこの用語が使われます。
用法 :
主にTermination(解除条項)で使用されます。
- 相手方が倒産した際の手続きの流れや、発生済みの債務の扱いを特定する文脈で、主語として配置されます。
例文(insolvent party)Termination(解除条項)から :
In the event that the insolvent party files a voluntary petition under any bankruptcy law or is subject to an involuntary petition, the other party may terminate this Agreement effective immediately upon written notice. All obligations accrued prior to such termination shall remain in full force and effect until satisfied.
(日本語訳)
支払不能当事者が破産法に基づき任意破産申立てを行った場合、または破産申立ての対象となった場合、相手方は書面による通知をもって直ちに本契約を解除することができる。当該解除前に発生したすべての義務は、履行されるまで引き続き効力を有するものとする。
例文の注記 :
- voluntary petition(任意申立て):
債務者(insolvent party)が自らの意思で裁判所に破産を申し立てることを指す重要法務用語です。 - accrued prior to(〜より前に発生した):
解除という将来に向けた行為によって、「過去に生じた未払金などの義務」まで消滅しないことを確認する表現です。 - remain in full force and effect(引き続き効力を有する):
契約が解除されても、特定の義務(支払いなど)が依然として拘束力を持つことを示す決まり文句です。