inspection report

:

検査報告書

意味合い :

納品された物品や成果物が、契約上の仕様に適合しているかを確認した結果を記録した公式な書面です。検査の実施を証明するだけでなく、不適合(Non-conformity)の詳細を記載することで、補修や交換の法的根拠となる重要な証拠資料です。

法的解釈(Legal Interpretation) :

inspection report の発行は、買主の検査義務の履行を意味します。この報告書に記載のない不備について、後から「不適合」を主張することは信義則上難しくなるため、「失権(Waiver)」の効果を伴うプロセスと解釈されます。また、売主にとっては、報告書の受領が代金支払義務の発生(Trigger)に繋がる手続き的要件となります。

実務のヒント(Practical Tip) :

実務上、報告書の発行期限を「promptly(速やかに)」とするか具体的な日数とするかが焦点になります。売主としては、不適合の記載がない箇所を「合格とみなす(Pass)」という条項をセットにすることで、後出しのクレームを封じることが可能です。一方、買主は報告書のフォーマットをあらかじめ決めておき、検査漏れを防ぐ工夫が求められます。

類似・関係する用語との違い :

  • Certificate of Acceptance(検収証明書) との関係
    inspection report は検査の「プロセスと詳細」を記録するのに対し、Certificate of Acceptance は「最終的な合否判断」という結論を宣言する役割が強いです。
  • Notice of Defect(欠陥通知) との違い
    Notice of Defect は「悪い箇所」のみを伝えますが、inspection report検査全体の結果を網羅的に報告するニュアンスがあります。
  • specifications(仕様書) との関係
    Specifications は検査の基準(定規)であり、inspection report はその基準に適合したかの測定結果を記すものです。

用法 :

主にInspection of Products(製品の検査条項)で使用されます。

  • (文脈):検査完了後、その結果(合格・不合格)を正式に相手方に通知し、証拠として残す文脈で使用されます。
  • (例文での役割):例文では、報告書が「不適合の特定(specify)」と「合格の判定(pass)」の両方の基準となる決定的な書面として機能していることを示しています。

例文(inspection report)Inspection of Products(製品の検査条項)から :

Upon completion of each inspection, the Buyer shall promptly issue an inspection report to the Seller. Such inspection report shall specify whether the Goods conform to the Specifications and describe details of any non-conformity. Any Goods not identified as defective in the inspection report shall be deemed to have passed the inspection.

(日本語訳)
各検査の完了後、買主は速やかに売主に対して検査報告書を発行するものとする。当該検査報告書には、本商品が仕様書に適合しているか否かを明記し、不適合がある場合はその詳細を記載するものとする。検査報告書において欠陥ありと特定されなかった本商品は、検査に合格したものとみなされる。

例文の注記 :

  • Upon completion of(〜の完了後すぐに):前置詞 Upon は「〜すると同時に・すぐに」という、手続きの即時性を求める際に多用される表現です。
  • specify whether(〜かどうかを明記する):whether節により、適合(conformity)か不適合(non-conformity)かのいずれかを明確に判定する義務を課しています。
  • Any Goods not identified as…(特定されなかったいかなる商品も):報告書に記載が漏れた場合、その商品は合格したものとして扱われるという、権利の確定効果を示す重要な一文です。