International Chamber of Commerce

執筆者:

カテゴリ:

国際商工会議所(ICC)

意味合い

1919年に設立された、世界最大級の民間国際経済団体です。契約実務においては、主に国際仲裁(Arbitration)の運営機関として、あるいはインコタームズ(貿易条件)の策定主体として極めて重要な役割を担います。

法的解釈(Legal Interpretation)

国際契約の紛争解決条項において「ICCの仲裁規則に従う」と合意した場合、その合意は強力な拘束力を持ちます。ICC仲裁判断は、ニューヨーク条約(外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約)に基づき、多くの国で裁判所の判決と同等の執行力を持つことが法的に担保されています。

実務のヒント(Practical Tip)

国際仲裁の場としてICCを指定する場合、その仲裁費用(管理費や仲裁人報酬)が比較的高額になる可能性がある点に留意が必要ですしかし、その分、仲裁判断の質や国際的な信頼性が非常に高く、複雑な国際取引において予測可能性を確保するための第一選択肢となります。

類似・関係する用語との違い

  • JCAA(日本商事仲裁協会)との違い:
    JCAAは日本を拠点とする機関ですが、ICCはパリに本部を置き、よりグローバルな知名度と実績を持つ世界規模の機関です。
  • AAA(アメリカ仲裁協会)との違い:
    AAA(およびその国際部門ICDR)が北米案件に強いのに対し、ICCは地域を問わず全世界の取引で標準的に利用される傾向にあります。
  • Court of Arbitration(仲裁裁判所)との違い:
    ICC内部にある組織ですが、司法裁判所ではなく、仲裁手続の適正な進行を監督する行政的な役割を担う組織を指します。

用法

主にArbitration(仲裁条項)Trade Terms(貿易条件)の中で使用されます。

  • (文脈):紛争が生じた際の解決手段として、特定の機関の規則を適用し、その管理下で仲裁を行うことを合意する文脈で使用されます。
  • (例文での役割):紛争解決の最終的なプラットフォームとして、ICCの仲裁規則を採用することを明示しています。

例文(International Chamber of Commerce)Arbitration(仲裁条項)から

All disputes, controversies or differences which may arise between the parties, out of or in relation to this Agreement, shall be finally settled by arbitration in Tokyo, Japan, in accordance with the Rules of Arbitration of the International Chamber of Commerce by one or more arbitrators appointed under the said Rules.

(日本語訳)
本契約に関して、または本契約に関連して両当事者間に生じ得るすべての紛争、論争または意見の相違は、日本国東京における仲裁により、国際商工会議所の仲裁規則に基づき、当該規則に従って選任される1名または複数の仲裁人によって最終的に解決されるものとする。

例文の注記

  • finally settled by arbitration(仲裁により最終的に解決される):裁判所での訴訟を排除し、仲裁人の判断を一回限りで最終的なものとする強い合意です。
  • in accordance with the Rules of Arbitration(仲裁規則に基づき):ICCが定めた手続上のルール(仲裁人の選任方法や審理の進め方など)に従うことを確定させています。
  • appointed under the said Rules(当該規則に従って選任される):仲裁人の選定プロセスにICCの介入と保証があることを示し、手続の公平性を担保しています。