訳:
連帯責任を負う
意味合い:
jointly and severally liable(連帯して責任を負う)は:
複数の債務者が同一の債務について個別に全額の支払義務を負い、債権者がそのうちの誰に対しても全額の履行を請求できる状態を指します。単に共同して責任を負うだけでなく、個別の責任も完全に内包していることを明示する、英文契約における債権者保護の最強の定型句です。
法的解釈(Legal Interpretation):
jointly and severally liable(連帯して責任を負う)は:
法的には「責任の分割」を完全に否定する効果を持ちます。この表現がない場合、複数の当事者の責任は各自の過失割合に応じて分断されるリスクがありますが、本フレーズにより、債権者は最も資力のある当事者一人を選択して、損害全体の満額を請求できる法的な権利が確定します。
実務のヒント(Practical Tip):
jointly and severally liable(連帯して責任を負う)は:
親会社と子会社が連名で契約する場合や、複数の買主・請負人が共同で取引に参加する際に、相手方から必ず要求される条件です。この義務を負う側としては、自らに過失がない場合でも他者の違反で全額賠償の当事者になるリスクを想定し、内部的な求償権(Right of Contribution)を別途合意しておくことが不可欠です。
類似・関係する用語との違い:
- jointly liable(共同して責任を負う)との違い:
jointly liableのみの場合、英米法の下では全員を同時に訴えなければならないという手続上の強い制約を受けることがありますが、severally(個別に)が加わることで、特定の者だけを狙い撃ちして訴えることが可能になります。 - severally liable(個別に責任を負う)との違い:
severally liableのみの場合は、各当事者があらかじめ定められた自己の負担割合についてのみ責任を負い、他者の未履行分を補填する義務は一切発生しません。 - vicarious liability(使用者責任)との関係:
vicarious liabilityは雇用主が従業員の過失を代わりに負うような「特定の関係性」に基づく法的な責任ですが、jointly and severally liableは契約上の明確な合意に基づいて独立した主体同士に課される点が異なります。
用法:
jointly and severally liable(連帯責任を負う)は:
主にArbitration(仲裁条項)またはJoint and Several Liability(連帯責任条項)で使用されます。
- (文脈):当事者が複数の主体で構成される契約において、その全員が契約上の全債務について一体となって、かつ個別にも全責任を負うことを明確にする文脈で使用されます。
- (例文での役割):例文では、買主側が複数の個人や法人で構成されている場合に、そのいずれの構成員に対しても、契約上の全ての義務の履行を直接かつ全額請求できる法的効果を発生させています。
例文(jointly and severally liable)Arbitration (仲裁条項)から:
If any party consisting of more than one person or entity executes this Agreement as a Buyer under this Agreement, the obligations and liabilities of each such person or entity comprising the Buyer under this Agreement shall be jointly and severally liable and enforceable against each of them.
(日本語訳)
複数の個人または法人から構成される当事者が、本契約に基づく買主として本契約を締結する場合、本契約に基づく買主を構成する各個人または法人の義務および責任は、連帯責任を負うものとし、そのいずれに対しても履行を請求できるものとする。
例文の注記:
- consisting of more than one person or entity(複数の個人または法人から構成される):一つの「買主」という立場の中に、複数の独立した法的主体が内包されている特殊な契約形態を特定しています。
- obligations and liabilities(義務および責任):金銭の支払義務だけでなく、契約上の守秘義務や成果物の引渡義務など、あらゆる作為・不作為の責任を網羅する定型表現です。
- enforceable against each of them(そのいずれに対しても履行を請求できる):連帯責任の具体的な効果として、全員をまとめて訴える必要がなく、個別の主体に対して直接的な法的強制力を発揮できることを念押ししています。