訳:
A(人)にBを逐次報告する
意味合い:
keep A informed of B(AにBを逐次報告する)は:
契約の当事者の一方が、もう一方の当事者に対して、特定の業務の進捗や市場の状況などの重要な情報を継続的かつタイムリーに共有する義務を課す表現です。一度限りの報告ではなく、状況の変化に応じて常に最新の情報を伝達し続けるという継続的な義務を意味します。
法的解釈(Legal Interpretation):
keep A informed of B(AにBを逐次報告する)は:
法的には情報提供義務を具体化する重要な文言です。本人が適切な経営判断や防御策を講じるために必要な情報を、相手方が故意または過失によって共有しなかった場合、この義務の不履行は明確な契約違反を構成し、損害賠償請求や契約解除の直接の根拠となります。
実務のヒント(Practical Tip):
keep A informed of B(AにBを逐次報告する)は:
実務上、この表現だけでは「いつ、どのような方法で」報告すべきかが曖昧になりがちです。そのため、トラブルを防止する目的から、例文のように報告の頻度や手段を特定する修飾語句をセットで規定するのが契約実務の定石です。
類似・関係する用語との違い:
- notify(通知する)との違い:
notifyは特定の事実やイベントが発生した際に一度だけ公式に伝える行為を指しますが、keep A informed of Bは状態や変化を継続的にアップデートし続けるという違いがあります。 - report to(〜に報告する)との関係:
report toは一般に組織内の上下関係や、特定の成果物を一方的に提出するニュアンスが強いですが、keep A informed of Bは相手方が常に最新情報を把握している状態を維持するという目的に主眼があります。 - provide information(情報を提供する)との違い:
provide informationは相手方からの「要請に応じて」情報を提供する文脈でも使われますが、keep A informed of Bは自発的に最新情報を送り続ける能動的な義務を表す傾向が強いです。
用法:
keep A informed of B(AにBを逐次報告する)は:
主にStatus Reports(状況報告の条項)またはAgency Agreement(代理店契約)で使用されます。
- (文脈):代理店や受託者が、現地の市場動向や業務の進捗状況について、委託者である本人に対して定期的に情報を共有する義務を規定する文脈で使用されます。
- (例文での役割):例文では、代理店が独占地域内での販売活動を行うにあたり、本人が市場の動向を正確に把握できるよう、広範な最新情報を定期提供する義務を確定させるための核心キーワードとして機能しています。
例文(keep A informed of B)Status Reports(状況報告の条項)から:
The Agent shall use its best efforts to promote the sale of the Products and shall keep the Principal informed of all material market conditions, customer feedback, related development trends, and competitive activities within the Territory by providing comprehensive written reports to the Principal on a regular monthly basis.
(日本語訳)
代理店は、製品の販売促進に最大限の努力を払い、毎月定期的に包括的な書面による報告書を本人に提出することにより、担当地域におけるすべての重要な市場状況、顧客からのフィードバック、関連する開発動向、および競合活動について、本人に逐次報告するものとする。
例文の注記:
- use its best efforts(最大限の努力を払う):結果を100%保証するものではありませんが、契約当事者として商業的に合理的な最高限度の努力を尽くす義務を課しています。
- material market conditions(重要な市場状況):すべての些細な出来事ではなく、本人のビジネスや経営判断に実質的な影響を与える規模の事象に報告対象を絞り込んでいます。
- competitive activities(競合活動):現地でのライバル企業の参入や価格競争の動向を指し、本人がマーケティング戦略を修正するために不可欠な情報です。
- on a regular monthly basis(毎月定期的に):逐次報告という抽象的な義務に対して、「月に1回」という明確な時間的基準を与えることで実務上の実効性を高めています。