labor dispute

訳:

労働争議

意味合い:

labor dispute(労働争議)は:
ストライキやサボタージュ、ロックアウトなど、労働組合と使用者との間で発生する労使紛争を指します。英文契約においては、主に不可抗力条項(Force Majeure)の免責事由として機能し、この事態が発生した際に債務不履行の責任を免れるための法的防壁として規定されます。

法的解釈(Legal Interpretation):

labor dispute(労働争議)は:
法的には、当事者の「合理的な支配を超える事象(Beyond Reasonable Control)」の一種として解釈されます。ただし、自社内(自社労働組合)で発生したストライキまでを無条件で不可抗力と認めるか、あるいは業界全体のゼネストなど「予見・回避不能なもの」に限定するかによって、免責の法的な適用範囲が大きく変動します。

実務のヒント(Practical Tip):

labor dispute(労働争議)は:
海外のサプライヤーから納品遅延のリスク(納期遅れ)を押し付けられないよう、日本の買主としては「自社内のストライキ」は不可抗力から除外するようネゴシエーションすべきです。サプライヤーの怠慢や労務管理の失敗による不履行を、不可抗力として一括免責される落とし穴を阻止する防衛策が実務上不可欠です。

類似・関係する用語との違い:

  • strike(ストライキ)との違い:
    strikeは労働者が自発的に業務を放棄する「労働争議の一手段」を指すのに対し、labor disputeは使用者側が工場を閉鎖するロックアウト(lockout)なども含む、労使間の対立・紛争全般を包括する広い概念です。
  • riot(暴動)との関係:
    riotは政治的・社会的な不満から発生する大衆の暴力的集団行動を指すのに対し、labor disputeはあくまで労働条件や雇用関係を巡る労使間の法的な対立に起因するものであるという違いがあります。
  • acts of God(天災)との違い:
    acts of Godは台風や地震など「人間の力が一切介在しない自然現象」を指すのに対し、labor disputeは人間の労務管理や社会秩序の乱れに起因する事象であるという根本的な違いがあります。

用法:

labor dispute(労働争議)は:
主にForce Majeure Clause(不可抗力条項)で使用されます。

  • (文脈):天災や戦争などと並び、当事者が予測およびコントロールできない事態によって契約上の納品義務や支払義務が遅延・不履行となった際の免責事由を列挙する文脈で使用されます。
  • (例文での役割):例文では、労働争議が直接的または間接的な原因となって義務の履行が遅れた場合、その遅延についていずれの当事者も損害賠償などの法的責任を負わない(免責される)という強いリーガルシールドを発生させています。

例文(labor dispute)Force Majeure Clause(不可抗力条項)から:

Neither party shall be liable for any failure or delay in performing its obligations under this Agreement to the extent that such failure or delay is directly or indirectly caused by an event beyond its reasonable control, including, but not limited to, acts of God, war, riot, fire, flood, and any labor dispute.

(日本語訳)
いずれの当事者も、天災、戦争、暴動、火災、洪水、および労働争議を含むがこれらに限定されない、自らの合理的な支配を超える事象によって直接的または間接的に引き起こされた、本契約に基づく義務の不履行または遅延について責任を負わないものとする。

例文の注記:

  • Neither party shall be liable(いずれの当事者も責任を負わない): 不可抗力が発生した際、売主・買主の双方が、納品遅延や受領遅延に対する損害賠償義務を相互に免除し合うための大前提となる免責フレーズです。
  • failure or delay in performing its obligations(義務の不履行または遅延): 期日通りの納品が完全にできなくなること(不履行)だけでなく、単なるスケジュールの遅れ(遅延)もカバーし、すべてのフェーズの責任を免除する網羅的な表現です。
  • beyond its reasonable control(自らの合理的な支配を超える): 列挙された事象(天災や労働争議など)が、単に発生しただけでなく、当事者の努力では回避不能であったことを要求する不可抗力の基本要件です。
  • including, but not limited to(〜を含むがこれらに限定されない): 免責対象として明記された天災や労働争議のほかにも、同等にコントロール不可能な事象であればすべて例示として包括させるための契約書定番の包括表現です。