late performance

訳:

履行遅滞

意味合い:

late performance(履行遅滞)は:
契約上の義務(製品の納品やサービスの提供など)を、定められた期日までに行わなかった事態を指します。完全に履行が不可能になった「履行不能」とは異なり、遅れて義務を果たすことは可能であるものの、その遅れによって相手方に商業的な損失を発生させている状態です。

法的解釈(Legal Interpretation):

late performance(履行遅滞)は:
法的には、明確な契約違反(Breach of Contract)を構成します。この事態が発生した際、非違反当事者は即座に契約を解除できるわけではなく、原則として相手方に相当な期間を定めて是正の催告を行う義務があります。その猶予期間内に是正がなされない場合に初めて、法的な契約解除権の行使が可能となります。

実務のヒント(Practical Tip):

late performance(履行遅滞)は:
日本の買主が売主の遅延に対して身を守る際、単に「遅れたら解除できる」と規定するだけでは不十分です。実務上の防衛策として、解除に至るまでの是正期間(Remedy Period:例:30日間)を明確に定め、その期間内であっても遅延によって自社が被った実損害の賠償請求権は妨げられない旨を条文に明記し、相手方に強いプレッシャーをかけ続ける必要があります。

類似・関係する用語との違い:

  • late delivery(納品遅延)との違い:
    late deliveryが「製品の引き渡しが遅れること」という具体的な物理的遅延に特化しているのに対し、late performanceは金銭支払いや報告書の提出など、契約上のあらゆる義務の遅れを包括する広い概念です。
  • complete failure of performance(完全な不履行)との関係:
    complete failure of performanceは義務を果たす意思が全くない、または履行が永久に不可能な状態を指すのに対し、late performanceは「遅れてはいるが、後から履行される(または是正を求めている)」途上の段階であるという違いがあります。
  • anticipatory breach(履行期前の違反)との関係: anticipatory breachは、履行期が来る前に「期日通りに履行できない」と相手方が明言した段階で違反を確定させるものですが、late performanceは「履行期(デッドライン)が実際に過ぎてしまった」後に確定する违反行為です。

用法:

late performance(履行遅滞)は:
主にTermination(契約解除条項)などで使用されます。

  • (文脈):当事者が義務を怠った場合を想定し、非違反当事者がいきなり契約を打ち切るのではなく、一定の猶予(是正期間)を与えた上で、それでも直らない場合の最終手段(ペナルティ)として解除を発動する文脈で使用されます。
  • (例文での役割):例文では、相手方が重要な義務の遅延(late performance)を起こした際、30日間の是正を求める書面通知を送ったにもかかわらず改善されなかった場合、非違反当事者が無条件で即座に契約を終了できるという強力な解除権(救済措置)を発生させるトリガーとなっています。

例文(late performance)Termination(契約解除条項)から:

Either Party may terminate this Agreement immediately upon written notice to the other Party, if the other Party fails to remedy any late performance of its material obligations hereunder within thirty (30) days after receiving written notice from the non-breaching Party requesting that such late performance be remedied.

(日本語訳)
いずれの当事者も、非違反当事者から本契約に基づく重要な義務の履行遅滞を是正するよう求める書面による通知を受領してから30日以内に、当該履行遅滞を是正しない場合、相手方への書面による通知をもって、直ちに本契約を解除することができる。

例文の注記:

  • fails to remedy(是正を怠る): 指摘された契約違反状態(遅延など)を解消するための手を打たず、猶予期間を無為にやり過ごしたという不作為を違反確定の要件としています。
  • material obligations(重要な義務): 契約の根幹に関わる主要な義務に限定しており、軽微な事務手続きの遅れなどを理由に契約全体が不当に解除されるリスクを排除しています。
  • hereunder(本契約に基づく): 契約書内で頻出する「under this Agreement」の言い換えであり、本契約内のすべての条項や約束事を包括して指し示すリーガル表現です。
  • non-breaching Party(非違反当事者): 契約を遵守している「真っ当な側」を指し、違反を犯した側の当事者から勝手に解除権を発動される理不尽な逆転劇を完全に遮断しています。