lost time

訳:

損失時間

意味合い:

lost time(損失時間)は:
自然災害や政府命令といった不可抗力事象によって、契約上の義務の履行が停止(ストップ)してしまった時間を指します。英文契約の不可抗力条項や補償の文脈においては、履行ができない期間中に無駄に経過してしまった時間や、それに伴って発生する管理コストの損失という文脈で主張される損害です。

法的解釈(Legal Interpretation):

lost time(損失時間)は:
法的には、当事者の責めに帰すことができない不可抗力事象(events beyond its control)から生じる遅延であるため、原則として損害賠償の対象にはなりません。これを契約書上で明記しておくことで、履行停止という非常事態において、相手方から停止期間中のスタッフの待機時間やプロジェクトの遅延に伴う時間的損失への賠償請求を法的に遮断する効果を持ちます。

実務のヒント(Practical Tip):

lost time(損失時間)は:
不可抗力条項(Force Majeure)やそれに伴う責任制限を設計する際、単に「履行遅延の責任を負わない」と規定するだけでなく、「lost time or administrative expenses(損失時間または管理費用)」について相互に請求できない旨を明示しておくのが実務上の重要な防衛策です。ただし、この免責効果を有効に機能させるためには、「promptly notifies(速やかに通知すること)」を厳格な発動条件として定めておくことが、実務上絶対に忘れてはならない死守すべきポイントです。

類似・関係する用語との違い:

  • administrative expenses との違い:
    administrative expenses(管理費用)が履行停止期間中に現場の維持や事務手続きのために現実に支出した「追加的な金銭コスト」を指すのに対し、lost time(損失時間)は業務がストップしたことによって無駄に消費された「時間の価値」そのものを指すという違いがあります。
  • failure or delay との関係:
    failure or delay(不履行または遅延)は不可抗力によって引き起こされる「契約義務が果たせない状態」という客観的な事実を指すのに対し、lost time はその状態が続いた結果として当事者が被ることになる二次的な時間損害であるという関係にあります。
  • events beyond its control との関係:
    events beyond its control(制御が及ばない事象)は損失時間を生み出す根本的な「不可抗力の原因」を指すのに対し、lost time はその原因が発生している期間中に双方が耐え忍び、互いに請求を免除し合うべき損害項目であるという関係にあります。

用法:

lost time(損失時間)は:
主にIndemnification(補償条項)、または不可抗力に伴う責任制限の文脈で使用されます。

  • (文脈): 不可抗力によって業務が一時的に停止した際、双方が「この停止期間中に無駄になった時間や管理費は、お互い様として請求しない」というリスク分担を明確にする文脈で使用されます。
  • (例文での役割): 例文では、履行停止期間中に発生した「損害賠償を請求できない(neither party may claim damages)」対象の具体例として、管理費用(administrative expenses)と並んで明示され、不可抗力時における当事者間の金銭的リスクを制限する役割を果たしています。

例文:

【Indemnification(補償条項)より】
Neither party shall be liable for any failure or delay in performance due to events beyond its control, including natural disasters or government orders, and neither party may claim damages for any lost time or administrative expenses incurred during such suspension, provided that the affected party promptly notifies the other party.

(日本語訳)
いずれの当事者も、自然災害や政府命令など、自らの制御が及ばない事象による履行の不履行または遅延について責任を負わないものとする。また、影響を受けた当事者が相手方当事者に速やかに通知することを条件として、いずれの当事者も、当該停止期間中に発生した損失時間または管理費用について損害賠償を請求することはできない。

例文の注記:

  • failure or delay in performance(履行の不履行または遅延): 契約で定められた義務を期日通りに果たせない、または全く実行できない状態を広くカバーするリーガル定番の表現です。
  • events beyond its control(自らの制御が及ばない事象): 天災地変や法令改正など、当事者の合理的な努力では回避できない不可抗力事象の核心的な定義を定めたフレーズです。
  • neither party may claim damages(いずれの当事者も損害賠償を請求することはできない): 発生した損失について、双方が相手方への法的請求権を相互に放棄(免責)することを宣言する強力な文言です。
  • provided that the affected party promptly notifies(影響を受けた当事者が相手方当事者に速やかに通知することを条件として): 不可抗力による免責や請求禁止の効力を発生させるための、実務上極めて重い義務(停止条件)を課すキーワードです。