majority-owned subsidiary

訳:

過半数所有子会社

意味合い:

majority-owned subsidiary(過半数所有子会社)は:
親会社がその議決権の50%を超える株式を保有している会社を指します。英文契約の譲渡条項においては、グループ会社内での契約移転を柔軟に行うため、この範囲内であれば相手方の事前の同意なしに契約を譲渡(Assignment)できるという、実務上非常に重要な範囲指定として用いられます。

法的解釈(Legal Interpretation):

majority-owned subsidiary(過半数所有子会社)は:
法的には、実質的な支配関係にあることを示す指標です。この用語を使用することで、親会社が完全にコントロールできる範囲の組織再編であれば、契約上の地位を移転しても、契約締結時の相手方との信頼関係を損なうリスクが低いとみなされます。ただし、譲渡後の義務履行責任を巡る紛争を避けるため、元の当事者が引き続き責任を負うこと(remain fully liable)がセットで規定されるのが通例です。

実務のヒント(Practical Tip):

majority-owned subsidiary(過半数所有子会社)は:
グループ内の再編をスムーズに進めたい企業側にとっては必須の規定ですが、契約相手方の立場からは、「どのような会社へでも自由に譲渡されること」は避けたいものです。実務上の防衛策として、譲渡先を「majority-owned subsidiary」に限定しつつ、「競業他社(competitor)は含まない」という除外条項を追加することで、譲渡の柔軟性と相手方の安心感を両立させる設計にするのが鉄則です。

類似・関係する用語との違い:

  • wholly-owned subsidiary との違い:
    wholly-owned subsidiary(完全子会社)が議決権の100%を保有する会社を指すのに対し、majority-owned subsidiary は50%超を保有していれば足りるため、より広い範囲の組織を対象にできるという違いがあります。
  • affiliate との関係:
    affiliate(関連会社)が資本関係だけでなく提携関係を含む広い範囲の企業グループ全体を指すことが多いのに対し、majority-owned subsidiary は支配関係が明確に過半数に達している特定の会社を指す、より限定的な関係にあります。
  • parent company との関係:
    parent company(親会社)がmajority-owned subsidiary を実質的に支配・管理する上位の会社を指すのに対し、majority-owned subsidiary はその管理下にある下位の会社を指すという対照的な関係にあります。

用法:

majority-owned subsidiary(過半数所有子会社)は:
主にAssignment(譲渡条項)で使用されます。

  • (文脈): 契約の譲渡を禁止する原則の中で、企業グループ内での移転を例外として許可する場合、その「対象となる会社の範囲」を、支配力が及ぶ範囲に限定するために使用されます。
  • (例文での役割): 例文では、相手方の事前の同意を得ることなく契約譲渡ができる「譲渡先の具体的な範囲」として設定されており、組織再編の柔軟性を確保しつつ、譲渡後の義務履行責任を元の当事者に繋ぎ止めるための境界線として機能しています。

例文:

【Assignment(譲渡条項)より】
Neither party may assign this Agreement without the prior written consent of the other party, except that either party may assign it to its majority-owned subsidiary without such consent, provided that the assigning party always remains fully liable for the prompt performance of all its obligations hereunder.

(日本語訳)
いずれの当事者も、相手方の事前の書面による同意なしに本契約を譲渡することはできない。ただし、いずれの当事者も、かかる同意なしに、その過半数所有子会社に本契約を譲渡することができる。ただし、この場合であっても、譲渡当事者は、本契約に基づくすべての義務の迅速な履行について、常に全責任を負うものとする。

例文の注記:

  • assign this Agreement(本契約を譲渡する): 契約上の地位や権利義務を第三者に移転することであり、契約締結時には相手方の承諾を必須とする原則(譲渡禁止特約)が適用されるのが一般的です。
  • without such consent(同意なしに): 本来は必須である相手方の同意を省略できる「例外規定」を明確にし、グループ内移転の手続き負担を大幅に軽減する効果があります。
  • remains fully liable(常に全責任を負う): 譲渡先が契約義務を果たさない場合に、元の譲渡当事者が引き続き責任を負い続ける義務を課すことで、相手方の履行リスクを担保する重要な条件です。
  • prompt performance(迅速な履行): 契約上の義務を遅延なく確実に果たすことを求め、譲渡の前後でサービスや品質が低下しないことを保証させるための条件です。