訳:
~について賠償請求をする
意味合い:
make a claim for(~について賠償請求をする)は:
契約違反や不法行為によって損害を被った当事者が、その損失を補填させるために、相手方に対して法律上の損害賠償や金銭的補償を公式に要求する行為を指します。英文契約の損害賠償条項や補償条項において、被害を被った側が救済手段(Remedies)を具体的に発動させるための第一歩となる重要な動詞フレーズです。
法的解釈(Legal Interpretation):
make a claim for(~について賠償請求をする)は:
法的には、単に苦情を申し立てるだけでなく、客観的な証拠(documented losses)に基づいて具体的な賠償額の支払いを法的に請求する権利(Right to claim)の行使を意味します。この請求を行うにあたっては、契約書内に定められた責任制限条項(limitations of liability)や免責規定の範囲に拘束されるため、無制限に請求が認められるわけではなく、契約上のルールに従って請求可能額や対象となる損害の範囲が画定されるという法的効果を持ちます。
実務のヒント(Practical Tip):
make a claim for(~について賠償請求をする)は:
実務上、請求を行う側(非違反当事者)としては、単に被害を主張するだけでは足りず、「証拠書類によって証明された(documented)」損失であることを立証する準備が必要です。そのため、契約交渉においては、賠償請求ができる要件として「合理的な根拠となる領収書や計算書の提示」を義務付ける規定を入れておくことが、不当な高額請求を未然に防ぐための強力な実務的防衛策となります。
類似・関係する用語との違い:
- demand との違い:
demand(~を要求する)が権利の有無にかかわらず「義務の履行や支払いを強く迫る行為」全般を指すのに対し、make a claim for(~について賠償請求をする)は損害の発生を前提として「法的な根拠や契約条項に基づいて賠償を求める」という請求行為に焦点が当てられているという違いがあります。 - indemnify との関係: indemnify(~を補償する)は損失を被った当事者に対して「金銭を支払って穴埋めをする」という義務側の行為を指すのに対し、make a claim for は補償を受ける側が「その補償の支払いを求める」という請求側の行為であるという関係にあります。
- seek compensation との関係: seek compensation(補償を求める)が広く補償や解決を目指して模索・交渉するニュアンスを含むのに対し、make a claim for は特定の損害に対して「公式な請求(クレーム)を確定的に申し立てる」という手続的な厳格さを持つという違いがあります。
用法:
make a claim for(~について賠償請求をする)は: 主にIndemnification(補償条項)、または損害賠償条項(Damages)で使用されます。
- (文脈):他方当事者の契約違反によって具体的な損失が発生した際に、被害を受けた側がどのような条件を満たせば金銭的な補償を相手に請求できるかを規定する文脈で使用されます。
- (例文での役割):例文では、非違反当事者が被ったすべての損失について、「相手方に公式な賠償請求を行うことができる権利」の対象と条件を明確に定めるキーワードとして機能しています。
例文:
【Indemnification(補償条項)より】
If either party suffers any loss or damage arising out of a material breach of this Agreement by the other party, the non-breaching party shall be entitled to make a claim for full compensation from the breaching party for all such documented losses, subject to the limitations of liability set forth herein.
(日本語訳)
いずれかの当事者が、他方当事者による本契約の重大な違反に起因して何らかの損失または損害を被った場合、非違反当事者は、本契約に定める責任制限に従うことを条件として、当該違反当事者に対し、証拠書類によって証明された当該すべての損失について賠償請求をする権利を有する。
例文の注記:
- material breach(重大な違反): 契約の根幹を揺るがすような著しい義務違反を指し、損害賠償請求や契約解除を正当化するための法的な大前提となる重要フレーズです。
- full compensation(完全な補償): 発生した損失に対して不足なく全額を埋め合わせることを意味しますが、本例文では後続の責任制限(limitations of liability)による枠内に制限されることになります。
- documented losses(証拠書類によって証明された損失): 客観的な領収書、インボイス、会計データなどの書面で裏付けが取れる現実の損害のみに賠償対象を限定する実務的に非常に重い文言です。
- subject to the limitations of liability(責任制限に従うことを条件として): たとえ完全な補償を請求する権利があっても、契約書内で合意した賠償上限額(キャップ)を超えての請求はできないという強力なブレーキをかける表現です。