訳:
非保証条項
意味合い:
No Warranty Clause(非保証条項)は:
契約に基づいて提供する製品やサービス、知的財産などについて、売主や提供側が「契約書に明記した事柄以外については、一切の保証(明示的・黙示的を問わず)を行わない」ことを宣言する条項です。提供後に想定外の欠陥や不具合が発覚した場合に、買主側から「当然このレベルの品質はあると思っていた」として、法律上の責任を追及されるリスクを制限するために規定されます。
法的解釈(Legal Interpretation):
No Warranty Clause(非保証条項)は:
法的には、米国統一商法典(UCC)などで規定されている「黙示の保証(Implied Warranties)」を合意によって免責(Disclaimer)させる効果を持ちます。具体的には、市場で通常流通できる品質であることを保証する「商品性の黙示保証(Warranty of Merchantability)」や、買主の特定の目的に適していることを保証する「特定目的適合性の黙示保証(Warranty of Fitness for a Particular Purpose)」を排除するために、これらの文言を大文字や太字など(Conspicuous)で明記することが法律上要求されます。
実務のヒント(Practical Tip):
No Warranty Clause(非保証条項)は:
英文契約においては、Warranties(保証条項)の後半部分、あるいは免責規定の中に包含されて配置されるのが一般的です。実務においては、この条項の記載が不十分であると、製品を引き渡した後に「こちらの意図した用途に使えないから契約違反だ」とクレームを受け、莫大な損害賠償を請求される危険が残ります。そのため、法律が定める特定の文言(merchantability等)を漏れなく羅列して排除する実務が徹底されています。
類似・関係する用語との違い:
- express warranty(明示の保証)との違い:
express warranty(明示の保証)が「契約書の条文内に、スペックや性能として明確に文字で記載された具体的な保証」を指すのに対し、No Warranty Clause(非保証条項)は「その文字で書いたもの以外は、法律が自動的に補うような背景の保証も含めて、一切認めない」とシャットアウトするという表裏一体の違いがあります。 - indemnity(補償)との関係:
indemnity(補償)が「第三者から権利侵害などで訴えられた際の費用や損害を肩代わりして払い戻す義務」を指すのに対し、No Warranty Clauseは「製品自体の品質や性能について、売主がどこまでの責任を引き受けるか(または免れるか)」という自社製品への責任範囲を定めるものであるという違いがあります。 - as is(現状有姿)との関係:
as is(現状有姿)は、中古品や現状のままの物件取引において「目に見える欠陥も含めて、一切の保証なしで現状のまま引き渡す」という強い免責表現です。No Warranty Clauseは、新品の取引であっても「契約書に書いた保証(仕様など)に限定し、それ以外の法的な黙示保証は一切与えない」という洗練された免責を行う点に実務上の使い分けがあります。
用法:
No Warranty Clause(非保証条項)は:
主にWarranties(保証条項)やLimitation of Liability(責任制限条項)で使用されます。
- (文脈):ソフトウェアや精密機械、またはライセンス技術の提供において、自社が想定していない買主側の特殊な利用目的や、市場での成否について、売主側が品質保証責任を負わないようにする文脈で使用されます。
- (例文での役割):例文では、明示・黙示を問わずすべての保証を否定し、特に法律上問題になりやすい「商品性」や「特定目的適合性」の黙示保証を名指しで排除する役割を果たしています。
例文 No Warranty Clause(非保証条項):
【Warranties(保証条項)より】
Except as expressly provided in this Agreement, the Seller makes no warranties, express or implied, and hereby disclaims any and all implied warranties, including, without limitation, any implied warranties of merchantability or fitness for a particular purpose, with respect to the products delivered under this Agreement.
(日本語訳)
本契約に明示的に規定されている場合を除き、売主は、本契約に基づいて納入される製品に関して、明示的または黙示的な保証を一切行わず、商品性または特定目的への適合性に関する黙示的な保証を含め(ただしこれらに限定されない)、あらゆる黙示的な保証をここに否認する。
例文の注記:
- Except as expressly provided(明示的に規定されている場合を除き):契約書の別ページに書かれている「仕様書」や「初期不良の交換規定」などの最低限の約束(明示の保証)だけは有効として残すためのセーフティネットです。
- hereby disclaims any and all(あらゆる黙示的な保証をここに否認する):売主が保証責任を引き受けないという意思を表明しており、「ディスクレイマー(免責宣言)」として法的な責任を免れるための定型表現です。
- merchantability(商品性):その製品が「通常の用途において、同種の製品として期待される一般的な品質を満たしていること」を指し、これを否認することで、一般的な品質不足を理由とするクレームを排除しています。
- fitness for a particular purpose(特定目的への適合性):買主が「この製品を、自社の特殊なシステムに組み込んで使いたい」という特定の意図を売主に伝えていた場合に、「その特定の目的を達成できるかどうかまでは保証しない」と宣言して責任を回避するための極めて重要な文言です。