訳:
非開示
意味合い:
non-disclosure(非開示)は:
自社が保有する技術情報、顧客データ、営業秘密などの機密情報を、相手方が外部の第三者に対して「一切漏らさないこと(開示しないこと)」を指します。英文契約においては、単に「秘密を守る」という受動的な態度だけでなく、「いかなる手段によっても、許可なく外部に暴露する行為を確実にブロックする」という能動的な義務(結果の保証)として規定されます。
法的解釈(Legal Interpretation):
non-disclosure(非開示)は:
法的には、機密情報の営業秘密としての法的価値(不正競争防止法上の保護など)を維持するための絶対的な不作為義務を意味します。ひとたび情報が外部に漏洩して公知(パブリックドメイン)の事実になってしまうと、特許出願ができなくなったり、秘密としての法的保護を受けられなくなったりします。そのため、事前の書面同意なき開示を厳格に禁止し、万が一開示された場合は契約違反による損害賠償や差止請求の対象となる強い法的拘束力を持ちます。
実務のヒント(Practical Tip):
non-disclosure(非開示)は:
業務提携や共同開発の交渉において、自社のノウハウを他社にタダ乗りされたり、勝手に流用されたりするリスクを防ぐ最前線の盾となります。実務上の重要な防衛策として、「明示的に許可された例外(法令に基づく開示など)」を除き、グループ会社であっても、書面による事前の承諾がない限り一律に第三者への非開示義務を課すことで、情報管理の網の目を徹底的に細かくするアプローチが基本となります。
類似・関連する用語との違い:
- confidentiality(秘密保持)との違い:
confidentiality(秘密保持)が「受領した情報を秘密として大切に管理・保管する」という内部的な管理義務全般を広く指すのに対し、non-disclosure(非開示)は「外部の第三者に見せたり漏らしたりしない」という情報の境界線を越える行為の禁止にピンポイントで焦点を当てた不作為義務であるという違いがあります。 - secrecy(機密、秘密性)との関係:
secrecy(機密、秘密性)が情報そのものが持つ「他人に知られていない状態(秘密のステータス)」を客観的に表現するのに対し、non-disclosure(非開示)は当事者が契約上の約束として「開示行為を行わないことを保証する」という具体的な行動・義務の側面を表現するという違いがあります。 - privacy(プライバシー)との関係:
privacy(プライバシー)が主に個人情報や私生活上の秘密を法律(個人情報保護法など)に基づいて守る性質の権利であるのに対し、non-disclosure(非開示)は企業間の取引において、契約(合意)によって自発的に設定される商業的な営業秘密・技術情報の漏洩防止義務を指すという違いがあります。
用法:
non-disclosure(非開示)は:
主にConfidentiality(秘密保持条項)で使用されます。
- (文脈):取引の過程で相手方に渡す自社の重要なデータやノウハウが、競合他社や一般社会に漏洩することを防ぐため、情報の取り扱いに関する禁止事項と遵守すべき厳格な境界線を宣言する文脈で使用されます。
- (例文での役割):例文では、受領した機密情報の「厳重な秘密保持(confidentiality)」とセットで配置され、事前の書面による同意がない限り、いかなる第三者に対しても情報を漏らさない状態(非開示)を100%確実に担保するための具体的な到達義務のキーワードとして機能しています。
例文 non-disclosure(非開示):
【Confidentiality(秘密保持条項)より】
Each Party shall maintain the strict confidentiality of all Confidential Information received from the disclosing Party and ensure the non-disclosure of such information to any third party without the prior written consent of the disclosing Party, except as otherwise expressly permitted under the terms of this Agreement.
(日本語訳)
各当事者は、開示当事者から受領したすべての機密情報を厳重に秘密保持し、本契約の条項で明示的に許可されている場合を除き、開示当事者の事前の書面による同意なしに、第三者に対する当該情報の非開示を保証するものとする。
例文の注記:
- strict confidentiality(厳重な秘密保持): 受領した情報を社内で雑に扱わず、アクセス権を制限するなどして厳格にコントロールされた状態で管理する義務を課しています。
- ensure the non-disclosure(非開示を保証するものとする): 「漏らさないように努力した」という言い訳を許さず、第三者に情報が渡らないという結果をコミットさせる強い義務を表しています。
- prior written consent(事前の書面による同意): 口頭での気軽な「いいよ」という了解を排除し、証拠の残る正式な書面による許可がない限り、一切の例外を認めない実務的な防衛線です。
- except as otherwise expressly permitted(明示的に許可されている場合を除き): 契約書の中で別途定められた特定の例外(例:弁護士や公認会計士への相談のための開示など)だけを適法な抜け穴として認める限定表現です。