Non-Disparagement Clause

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訳:

誹謗中傷禁止条項

意味合い:

Non-Disparagement Clause(誹謗中傷禁止条項)は:
契約の当事者が、お互いやその関連会社、役員などに対して、世間の評判を落とすような悪口、中傷、批判的な発言をネット上や社会に対して「一切行わないこと」を約束する条項(条項名そのもの)を指します。M&Aの完了後や、合弁会社の解消、あるいは雇用契約の終了(退職合意)の際など、関係が終わった後に元パートナーからSNSやメディアでネガティブな情報を流されて、会社のブランド価値や社会的信用を傷つけられるリスクを封じ込めるために置かれます。

法的解釈(Legal Interpretation):

Non-Disparagement Clause(誹謗中傷禁止条項)は:
法的には、名誉毀損(Defamation)の不法行為が成立する水準(事実の虚偽性などが要件となる)よりもはるかに低いハードルで、企業の信用毀損行為を契約違反として追及できるようにする特約としての法的効果を持ちます。この条項が存在する場合、発言内容が「真実か否か」にかかわらず、相手の社会的評価をおとしめる発言(disparaging remarks)をしたという事実だけで、即座に明確な契約違反(Breach of Contract)を構成し、損害賠償や差止の対象となります。

実務のヒント(Practical Tip):

Non-Disparagement Clause(誹謗中傷禁止条項)は:
取引関係の解消時や退職合意において、「契約終了後も義務が永久または長期間にわたって生き残る(Survive)」ように設計し、将来の爆弾をあらかじめ撤去しておく実務が肝要です。契約が終了したからといってこの義務まで消えてしまっては意味がありません。「本条項の義務は、契約の満了または終了後も存続する(shall survive)」と明記することで、関係が切れた後の元当事者によるインターネット上(SNSやレビューサイトなど)での不当な暴露や当て擦り行為に対し、永続的な抑止力を発揮させることができます。

類似・関連する用語との違い:

  • confidentiality clause(秘密保持条項)との違い: confidentiality clause(秘密保持条項)が「未公開の秘密情報を外部に漏らさないこと」を禁止するのに対し、Non-Disparagement Clause(誹謗中傷禁止条項)はたとえ世間に知られている公知の事実や、単なる個人の主観的な感想であっても、相手の価値を貶めるようなネガティブな発信をすること自体を禁止するという、禁止する対象の性質(秘密か、悪評か)に大きな違いがあります。
  • indemnification clause(補償条項)との関係:
    indemnification clause(補償条項)が第三者とのトラブルなどで発生した金銭的な損害を肩代わりして穴埋めすることを約束するのに対し、Non-Disparagement Clause(誹謗中傷禁止条項)は自らの言動によって相手方の社会的信用を直接傷つける行為そのものを未然に差し止めるという、不作為の義務を直接的に課す性質であるという違いがあります。
  • governing law clause(準拠法条項)との関係:
    governing law clause(準拠法条項)が万が一の紛争時に「どこの国の法律をベースにジャッジするか」という全体のプラットフォームを決めるものであるのに対し、Non-Disparagement Clause(誹謗中傷禁止条項)は当事者の具体的な「言論・発言の制限」というピンポイントの禁止行為を切り取って義務化する個別条項であるという違いがあります。

用法:

Non-Disparagement Clause(誹謗中傷禁止条項)は:
本用語はClauseそのものであるため、主にM&A・合弁解消契約そのものの独立した条項として機能します。

  • (文脈):当事者間の関係が終了、または紛争が解決した後のフェーズにおいて、お互いの感情的な対立が外部への悪評の流布という形で実体化することを防ぎ、企業のブランドイメージを永久に保護する文脈で使用されます。
  • (例文での役割):例文では、直接・間接を問わず、相手方やその関連会社に対する一切の中傷発言を禁止し、かつこの条項自体の効力が、契約の終了や満了といったイベントに引きずられて消滅せず、その後も強力に生き残り続ける(survive)という時間的な永続性を担保する主語として機能しています。

例文 Non-Disparagement Clause(誹謗中傷禁止条項):

Each Party covenants and agrees that it shall not, directly or indirectly, make, publish, or communicate to any person or entity any disparaging, defamatory, or derogatory remarks, comments, or statements concerning the other Party or its affiliates, and this Non-Disparagement Clause shall survive the expiration or termination of this Agreement.

(日本語訳)
各当事者は、直接的または間接的に、相手方当事者またはその関連会社に関して、中傷的、名誉毀損的若しくは侮辱的な発言、コメント若しくは声明をいかなる個人または団体に対しても作成、公表若しくは伝達を行わないことを誓約し、同意するものとし、本誹謗中傷禁止条項は、本契約の満了または終了後も存続するものとする。

例文の注記:

  • covenants and agrees(誓約し、同意するものとし): 単なる希望や努力目標ではなく、法律上の厳格な契約上の義務として生涯これを遵守することを双方が重く約束する表現です。
  • directly or indirectly(直接的または間接的に): 自分の名前で堂々と批判を発信する行為だけでなく、第三者や匿名のアカウントを介して遠回しに悪評を広める巧妙な抜け道も網羅して禁止しています。
  • disparaging, defamatory, or derogatory(中傷的、名誉毀損的若しくは侮辱的な): 法律上の名誉毀損に該当するレベルのひどい嘘だけでなく、相手の価値や信用を少しでも引き下げるようなあらゆるネガティブな発言を網羅してターゲットにする網を張っています。
  • shall survive(後も存続するものとする): 契約の本来の有効期間が切れた後であっても、この中傷禁止の義務だけは死なずに永続的に当事者を縛り続けるという、時間的な生存ルートを確定させる重要なマジックワードです。