non-infringement warranty

訳:

非侵害保証

意味合い:

non-infringement warranty(非侵害保証)は:
契約の対象となる製品やソフトウェアが「他人の知的財産権を一切侵害していないこと」を、売り手(ライセンサー)が買い手(ライセンシー)に対して法的に正式に「約束・保証」することを指します。単に「侵害していません」という状態の報告にとどまらず、「もし侵害していたら、私たちがすべての責任を取ってあなたを守ります」という、売り手側の重い身元保証の義務化を意味する言葉です。

法的解釈(Legal Interpretation):

non-infringement warranty(非侵害保証)は:
法的には、侵害の事実が発覚した瞬間に、売主(ライセンサー)側の契約違反(保証違反:Breach of Warranty)を自動的に成立させる法的作用を持っています。買い手は、売り手に故意や過失(わざとやったか、うっかりか)があったかどうかを裁判で立証する必要はなく、「第三者から訴えられた」という事実をもって即座に保証違反に基づき、損害賠償請求や契約解除、さらには防御費用の肩代わり(補償:Indemnification)を求める法的権利を手に入れることができます。

実務のヒント(Practical Tip):

non-infringement warranty(非侵害保証)は:
ライセンス契約において、買い手がリスクを売り手に100%押し付け、自社を無傷に保つための最強の盾として機能します。特にアメリカなどの訴訟社会では、知財訴訟の弁護士費用だけで億単位の巨費がかかります。買い手は、契約書にこの non-infringement warranty をきっちり滑り込ませておくことで、「万が一、特許ヤクザや競合他社から訴えられたとしても、自社は一切懐を痛めずに、売り手の財布で裁判を戦わせる」という究極のリスクヘッジを行う実務が徹底されています。

類似・関係する用語との違い:

  • non-infringement(非権利侵害)との違い:
    non-infringement(非権利侵害)が第三者の知財を侵害していないという「客観的な事実や状態」そのものを指すのに対し、non-infringement warranty(非侵害保証)は、その瑕疵のない状態が確実であることを当事者が法的に「保証(warranty)する」という契約上の明確な引受義務を意味するという違いがあります。
  • as-is basis(現状有姿ベース)との違い:
    as-is basis(現状有姿ベース)が、「成果物の知財リスクも含めてすべて現状のままで引き渡すため、売り手は一切の保証を負わない」という売主免責の規定であるのに対し、non-infringement warranty(非侵害保証)は、売主側が知財の安全性を100%全面的に背負い込んで保証するという真逆の性質を持っています。
  • warranty of title(権原の保証)との関係:
    warranty of title(権原の保証)が、「売主自身がその製品を正当に所有しており、他人に売却する法的な権利(名義)を持っていること」を保証するのに対し、non-infringement warranty(非侵害保証)は、名義の正当性だけでなく、その製品の中身や技術が他人の特許や著作権を侵害していないことという、コンテンツの安全性まで踏み込んで保証する関係にあります。

用法:

non-infringement warranty(非侵害保証)は: 主にRepresentations and Warranties(表明保証条項)や、Intellectual Property Warranty(知的財産権の保証条項)で使用されます。

  • (文脈):売り手側が、自社の提供するプロダクトが「有効な保証(valid warranty)を伴って提供されていること」を宣言し、発効日(effective date)の時点で第三者が持っているいかなる権利をも踏みにじらないことを買い手に強く確約・安堵させる文脈で使用されます。
  • (例文での役割):例文では、ライセンサーが対象ソフトウェアを差し出すにあたり、それが第三者の特許・著作権・商標権などを侵さないことを法的に完全に「保証」した状態で引き渡されることを義務付け、ライセンシー側の知財リスクを根底から排除する役割を果たしています。

例文  non-infringement warranty(非侵害保証):

【Representations and Warranties(表明保証条項)より】
The Licensor hereby represents and warrants to the Licensee that the Software is provided with a valid non-infringement warranty, ensuring that it does not violate or infringe upon any patents, copyrights, trademarks, or other intellectual property rights owned or controlled by any third party as of the effective date.

(日本語訳)
ライセンサーは、本ソフトウェアが有効な非侵害保証付きで提供されることをライセンシーに対して表明および保証し、当該ソフトウェアが、発効日時点で第三者が所有または管理する特許権、著作権、商標権、またはその他の知的財産権を侵害しないことを保証する。

例文の注記:

  • is provided with a valid(〜付きで提供される): 保証が口約束や形式的なものではなく、本契約の下で法的拘束力を持ち、実際に機能する有効な状態で付随していることを明示しています。
  • owned or controlled by(所有または管理する): 第三者が完全に特許権を「持っている(所有)」場合だけでなく、独占的実施権などでその権利を「実質的にコントロール(管理)」しているケースまで網羅し、あらゆる角度からの攻撃に備える表現です。
  • as of the effective date(発効日時点で): 保証のタイムライン(基準点)を契約が効力を持った日に設定しており、契約成立後に第三者が新しく取得した予期せぬ特許までは(特段の合意がない限り)遡って保証の対象としないという、売り手側の最低限の防衛ラインでもあります。
  • ensuring that it does not violate(〜を侵害しないことを確実にする): 「最善を尽くしたが防げなかった」という言い訳を一切許さず、結果として第三者の権利を侵さない状態を達成することそのものを売り手の絶対義務として確定させる法的作用を持ちます。