not otherwise defined herein

訳:

本契約で別段定義されていない

意味合い:

not otherwise defined herein(本契約で別段定義されていない)は:
契約書内で使用されている特定の用語について、その書面の中で固有の定義が与えられていない状態を指す表現です。主に、複数の契約書(基本契約と個別契約、または本契約と付属合意書など)が連動している取引において、親となる契約書で定められた定義を、子となる契約書へそのままスムーズに借用・適用させるために使用されます。これにより、同一の取引内で用語の解釈にズレが生じるのを防ぎ、契約書全体の整合性を保つ重要な役割を果たします。

法的解釈:

not otherwise defined herein(本契約で別段定義されていない)は:
外部の契約書(例:売買契約書や基本契約書)に存在する定義規定を、現在作成している契約書内へ法的に「組み込む(Incorporation by reference)」効果を持ちます。この文言があることで、本契約の中でわざわざ大量の用語定義を重複して書き直す必要がなくなります。法的な解釈上の注意点として、「herein(本契約において)」が指す範囲は通常、その契約書の本文および別紙(Exhibits / Schedules)全体を含みますが、特定の条項内だけで定義されているローカルな用語との間で解釈の衝突が起きないよう、定義の優先順位を明確にしておくことが求められます。

実務のヒント:

not otherwise defined herein(本契約で別段定義されていない)は:
主にDefinitions(定義条項)、または変更契約書(Amendment)、付属合意書(Addendum)などの冒頭部分で多用されます。実務上の重要なヒントは、この表現が「Capitalized terms(大文字で始まる用語)」を主語として呼び出すことが多い点です。英文契約書では、定義された用語の頭文字を大文字にするルールがあるため、どの用語が外部からの借用対象であるかが一目で分かるよう、ドラフティングの際は大文字表記のルールを厳格に徹底する必要があります。また、参照先となる親契約(本例文ではPurchase Agreement)が特定されており、その定義が有効に存続していることを事前に確認しておくことも不可欠です。

類似・関連する用語との違い:

  • unless otherwise defined herein(本契約で別段定義されない限り)との違い: unless otherwise defined hereinは「原則として外部の定義を適用するが、もし本契約内で個別に定義した場合はそちらを優先する」という条件付きのニュアンスが強いのに対し、not otherwise defined hereinは「本契約の中で現に定義がなされていないもの」という客観的な状態そのものをストレートに指し示すという違いがあります。
  • except as otherwise provided herein(本契約に別段の定めがある場合を除き)との違い:
    except as otherwise provided hereinは用語の定義に限らず、権利義務や手続など「契約書内のすべての規定・ルールの例外」を広く包括して扱うのに対し、not otherwise defined hereinはあくまで「用語の定義(解釈)」の局面に特化して使用されるという違いがあります。
  • defined under this Agreement(本契約に基づいて定義された)との違い:
    defined under this Agreementは本契約の内部だけで完結している定義済み用語を肯定的に指すのに対し、not otherwise defined hereinは「本契約の中には定義がない」という否定の形をとりながら、外部の契約書とリンクさせるための架け橋として機能するという正反対のアプローチをとる違いがあります。

用法:

not otherwise defined herein(本契約で別段定義されていない)は:
主にDefinitions(定義条項)で使用されます。

  • (文脈): 本契約とは別に存在する売買契約書等の定義を、本契約の中へそのままスライドさせて適用し、用語の重複説明を省略する文脈で配置されます。
  • (例文での役割): 本契約内でわざわざ個別に定義されていない大文字表記の専門用語について、その意味はすべて売買契約書の定義に従うというルールを確定させ、解釈の齟齬を排除する役割を果たしています。

例文  not otherwise defined herein(本契約で別段定義されていない):

【Definitions(定義条項)より】
Capitalized terms used in this Agreement and not otherwise defined herein shall have the meanings ascribed to such terms in the Purchase Agreement. Except as expressly provided in this Agreement, all other terms, conditions, and provisions of the Purchase Agreement remain in full force and effect without modification.

(日本語訳)
本契約において使用される大文字で始まる用語で、本契約で別段定義されていないものは、売買契約において当該用語に付与された意味を有するものとする。本契約に明示的に規定されている場合を除き、売買契約のその他のすべての条項、条件および規定は、変更されることなく引き続き完全な効力を有するものとする。

例文の注記:

  • Capitalized terms(大文字で始まる用語): 頭文字が大文字で表記されている、契約書内で特別な意味を持たされた定義用語のことを指します。
  • meanings ascribed to(〜に付与された意味): 別の場所や書面において、その用語に対して正式に割り当てられた、または結び付けられた定義内容を意味します。
  • Except as expressly provided(明示的に規定されている場合を除き): 本契約の中に例外的なルールがはっきりと文字で書かれている場合だけを排除する、強い除外表現です。
  • remain in full force and effect(引き続き完全な効力を有する): 参照先である売買契約の内容が、何ら失効することなく、現在も法的に有効に存続していることを確認する定型フレーズです。