notify A of B

訳:

AにBを通知する、Aに対してBの通知を行う

意味合い:

notify A of B(AにBを通知する、Aに対してBの通知を行う)は:
英文契約において、一方の当事者が特定の事実や事象の発生を他方当事者に対して正式に知らせる行為を規定する基礎的な動詞表現です。単に情報を伝えるだけでなく、契約上の法的義務として「一定の事実を相手方に確実に入知せしめる」というニュアンスを含みます。

法的解釈:

notify A of B(AにBを通知する、Aに対してBの通知を行う)は:
契約違反の発生、不可抗力事象の到来、あるいは契約更新の拒絶など、相手方の権利義務に直接影響を与える重要な局面で多用されます。この表現が用いられる場合、通知を行う側(通知当事者)には、適切な方法とタイミングで相手方に情報を到達させる法的責任が生じます。通知を受け取る側(被通知当事者)にとっては、その後の救済手続きや対抗措置を講じるための起算点となるため、法的な重要性が極めて高い表現です。

実務のヒント:

notify A of B(AにBを通知する、Aに対してBの通知を行う)は:
実務上、単独で用いられることは少なく、必ず「どのような方法で(書面か電子メールか)」「いつまでに(直ちに、または〇日以内に)」通知すべきかという手続き要件とセットで規定されます。ドラフティングの際は、契約書内の一般条項にある「通知条項(Notices Clause)」に定められた形式(住所、担当者、送付方法など)を満たす形で通知が行われるよう、文脈を整合させることがポイントです。

類似・関連する用語との違い:

  • inform A of B(AにBを通知する)との違い:
    inform A of Bはビジネス全般で広く使われる一般的な表現であり、単に「事実や情報を相手方に伝える・知らせる」という行為そのものに主眼があります。これに対して、notify A of Bは契約書などで用いられる正式な法律用語(リーガルエッセンス)であり、法令や契約に基づいて義務として公式に通知するという強い法的ニュアンスを持ちます。実務上、契約違反の指摘や解除通告など、法的な効果を伴う厳格な通知にはnotify A of Bが優先して使用されます。
  • advise A of B(AにBを通知する・連絡する)との違い:
    advise A of Bは「アドバイス(助言)」という意味のほか、実務では「(状況などを)正式に報告する、知らせる」という意味で頻繁に使用されます。notify A of Bが客観的な事実の発生を確定的に伝えるために使われるのに対し、advise A of Bは「現在の進捗状況を知らせる」「専門的な見地から状況を公式に伝える」という文脈で使われることが多く、ビジネス上の正式な案内や状況報告に適した表現です。
  • serve notice on A(Aに通知を送達する)との違い:
    serve notice on Aは単に相手方に知らせるだけでなく、訴訟手続きや契約解除、権利行使などの厳格な法的通知を、法的な手続き(送達など)に則って「公式に手渡す・突きつける」という非常に重い手続き的ニュアンスを持ちます。日常的な実務連絡や軽微な事象の共有に使われるnotify A of Bに比べ、serve notice on Aは法的紛争の開始や最終的な通告など、最も格式高く厳格な場面に限定して使用される表現です。

用法:

notify A of B(AにBを通知する、Aに対してBの通知を行う)は:
主に不可抗力条項(Force Majeure)、契約解除条項(Termination)、秘密保持条項(Confidentiality)などで使用されます。

  • (文脈):一方の当事者が、履行遅延の要因となる事象が発生したことを相手方に公式に伝える文脈。
  • (例文での役割):主節において、遅延の恐れがある事象を「直ちに他方当事者に通知しなければならない」という義務を課す中心的な動詞として機能しています。

例文  notify A of B(AにBを通知する、Aに対してBの通知を行う):

【Force Majeure(不可抗力条項)より】
Either Party shall immediately notify the other Party of any event or circumstance that may delay the performance of its obligations under this Agreement. Such notice shall be given in writing within three (3) business days from the occurrence of such event, specifying the details and estimated duration of the delay.

(日本語訳)
いずれの当事者も、本契約に基づく義務の履行を遅延させるおそれのある事象または状況が生じた場合、直ちに他方当事者に通知しなければならない。当該通知は、当該事象の発生から3営業日以内に書面により行い、遅延の詳細および遅延の予想期間を明記するものとする。

例文の注記:

  • shall immediately notify(直ちに通知しなければならない): 正確な日数の指定はないものの、不可抗力という緊急事態を認知した以上、実務上可能な限り速やかに、遅滞なくアクションを起こして相手方に知らせるべきであるという非常に強いリーガルな義務感を表しています。
  • performance of its obligations(義務の履行): 契約上で発生した自らの各種債務を実際に果たしたり実行に移したりする行為全般を指し、これが不可抗力等によって阻害されると契約違反のリスクが生じるため、速やかな通知による免責手続きが不可欠となります。
  • given in writing(書面により行い): 口頭や電話、あるいは通常のSNS連絡などでの口頭報告を排除し、後日の証拠能力や確実性を担保するために「紙の書面や正式な電子メールなどの文字として残る方法」に限定して義務を果たすよう手続きを厳格化しています。
  • estimated duration of the delay(遅延の予想期間): 単に「遅れます」と事実を伝えるだけでなく、その遅延がどの程度の時間(日数や月数)にわたって継続する見込みかという見通しを示すもので、相手方が代替手段や対策を講じるための実務上の重要な判断指標となります。