on account of

訳:

~の理由で~を理由として

意味合い:

on account of(~の理由で、~を理由として)は:
ある出来事、状態、または行為が引き起こされる直接的な原因や理由を表します。契約書においては、免責事由(不可抗力など)や損害賠償の発生要件、あるいは権利義務が変動するトリガー(要因)を特定する際によく使用されます。文脈としては、because of や due to とほぼ同じ役割を果たしますが、より形式的で法的な響きを持つ表現です。

法的解釈:

on account of(~の理由で、~を理由として)は:
法的な因果関係(causation)を基礎付ける言葉として解釈されます。例えば、義務の不履行や遅滞が「~を理由として」生じたと主張する場合、その特定の事由と結果との間に直接的かつ実質的な結びつきが存在することを証明する必要があります。不履行が他の複合的な要因ではなく、まさにその指定された事由から生じたものであるかどうかが、責任の有無を分ける重要な法的な争点となります。

実務のヒント:

on account of(~の理由で、~を理由として)は:
免責や権利発生の条件となる原因の範囲をどこまで広げるか、または狭めるかという合意形成の場面で慎重に検討する必要があります。単に原因を列挙するだけでなく、予見可能性(foreseeability)や当事者の怠慢による理由が紛れ込まないよう、客観的かつ合理的な支配を超えた事由のみに限定する文言の精査が不可欠です。また、立証責任の所在を明確にするため、原因が発生した際の通知義務や損害軽減義務とセットで規定しておくことが実務上の強いポイントです。

類似・関連する用語との違い:

  • by reason of との違い:
    by reason of は、on account of と同様に「~の理由で」という意味を持ちますが、より法的な規定や根拠、あるいは公式な決定に直接起因しているというニュアンスが強くなります。これに対して on account of は、特定の具体的な事実や突発的な事象、客観的な状況そのものを理由として指し示す場合に好んで使われる傾向があります。
  • due to との違い:
    due to も原因や理由を表しますが、伝統的な文法解釈では形容詞的に機能し、名詞を修飾する(例:The delay was due to…)形で多く使われてきました。実務上は混同されがちですが、on account of は文頭や動詞句の後ろなどで副詞的に「~によって」「~が原因で」と原因の文脈を広く、かつフォーマルに挿入できる点で使い勝手が異なります。
  • owing to との違い:
    owing to は、主として好ましくない結果や損害、遅延などの原因を客観的に説明する際に使われることが多い表現です。on account of も免責や不履行といった文脈で多用される点は似ていますが、契約上の特定の権利の発生や金銭の支払いなど、ニュートラルな因果関係の規定にも違和感なく使用できるという特徴があります。

用法:

on account of(~の理由で、~を理由として)は:
主にLimitation of Liability(責任制限条項)で使用されます。

  • (文脈):当事者の合理的な支配を超えた不可抗力事由が発生したことにより、契約上の義務が果たせなくなったという免責の文脈で使用されています。
  • (例文での役割):履行遅滞や不履行が、当事者の管理が及ばない外的な原因によって生じたものであることを明確にし、その因果関係がある範囲において責任を免除する役割を果たしています。

例文 on account of(~の理由で、~を理由として):

【Limitation of Liability(責任制限条項)より】
Neither Party shall be held liable to the other Party for any delay in performance or non-performance of its obligations under this Agreement to the extent that such delay or non-performance is on account of causes beyond its reasonable control, including but not limited to acts of God, war, or government regulations.

(日本語訳)
いずれの当事者も、天災、戦争、政府の規制など、自らの合理的な支配の及ばない事由を理由とする本契約上の義務の履行遅滞または不履行については、その範囲において、相手方に対して責任を負わないものとする。

例文の注記:

  • Neither Party(いずれの当事者も~ない): 強い否定を表し、双方の当事者が等しく免責の対象となることを示しています。
  • held liable to(~に対して責任を負う): 法的な損害賠償責任や不履行責任を課されることを意味しています。
  • to the extent that(~の範囲において): 免責が認められる条件の範囲を、不可抗力原因と直接的な因果関係がある部分だけに限定する重要な制限句です。
  • including but not limited to(~を含むがこれらに限定されない): 例示列挙であることを明示し、天災や戦争以外にも合理的な支配の及ばない事由があれば含まれることを示しています。