on one’s behalf

訳:

~に代わって

意味合い:

on one’s behalf(~に代わって)は:
前述の on behalf of と同様の機能を持ちますが、所有格(my, your, the other Party’s など)を間に挟むことで、「特定のその人のために、その人の代行として」行動することを表します。相手方の名前を使って勝手に取引を行ったり、相手方に代わって金銭的な債務や義務を発生させたりする行為を制限・管理する文脈で多用される表現です。

法的解釈:

on one’s behalf(~に代わって)は:
相手方を法的に拘束する効果(binding effect)の有無を切り分ける境界線として解釈されます。契約書において「相手方に代わって義務を創出してはならない」と規定されている場合、一方の当事者が行った行為の効果は相手方には帰属しません。これに違反して相手方に代わって第三者と取引を行った場合は、越権行為(ultra vires)として、その行為を行った本人が個人的にすべての損害賠償責任を負うことになります。

実務のヒント:

on one’s behalf(~に代わって)は:
合弁事業、業務提携、または独立したパートナーシップを組む際の一般条項(独立契約者条項など)において不可欠な文言です。実務上は、共同でビジネスを行う過程で、提携相手が勝手に「当社の代表」のような顔をして第三者と不要な契約を結び、当社に請求が回ってくるようなリスクを確実に防ぐため、事前の書面による授権(prior written authorization)を厳格な条件として課しておくことがポイントです。

類似・関連する用語との違い:

  • in one’s stead との違い:
    in one’s stead は、「〜の代わりに」「〜の身代わりとして」という意味を持つやや古風な法的な表現です。ある人が行うべき任務や役割を別の人が完全に「交代して」遂行する文脈で使われます。これに対して on one’s behalf は、本人が存在したままで、その「利益の代表・エージェントとして」代わりに一定の行為を行うという関係性を表します。
  • for one’s account との違い:
    for one’s account は、主として「〜の計算において(〜の費用負担で)」という意味の財務的・金銭的な表現であり、取引から生じる経済的な損益が最終的に誰に帰属するかを指します。on one’s behalf が「行動の代表・代理」という行為の様態に主眼があるのに対し、金銭的な責任の帰属を表す点で異なります。
  • in interest of との違い: in interest of(または in the interest of)は、「〜の利益のために」という意味であり、相手方にとってプラスになるような支援や行動をすることを広く指します。しかし、そこには相手方を法的に代表して契約を結ぶといった「代理権・代表権」のニュアンスは含まれないため、法的拘束力の有無を問題にする場面では使われません。

用法:

on one’s behalf(~に代わって)は: 主にIndependent Contractor(独立契約者の条項)で使用されます。 (文脈):当事者双方がそれぞれ独立した契約者であり、相手方の名前を使用したり、相手方に代わっていかなる義務も勝手に発生させてはならないという、代理権の相互否定の文脈で使用されています。 (例文での役割):提携関係にある相手方が第三者との間で起こしたトラブルや債務について、自社が連帯責任や使用者責任を追及されるリスクを法的に未然に遮断する役割を果たしています。

例文 on one’s behalf(~に代わって):

【Independent Contractor(独立契約者の条項)より】 Neither Party shall have any right or authority to assume or create any obligation, express or implied, in the name of or on the other Party’s behalf, or to bind the other Party in any manner whatsoever, unless such action is expressly authorized in writing by the other Party prior to the commencement of such action.

(日本語訳) いずれの当事者も、相手方の名称において、または相手方に代わって、明示的か黙示的かを問わず、いかなる義務も負担または発生させる権利や権限を有さず、また、いかなる方法によっても相手方を拘束する権利や権限を有しないものとする。ただし、当該行為の開始前に相手方から書面により明示的に授権されている場合は、この限りではないものとする。

例文の注記:

  • Neither Party shall have any right(いずれの当事者も~権利を有さない): 双方の当事者に対して、対等かつ強力に行為の制限を課す禁止の表現です。
  • assume or create(負担または発生させる): 自ら責任を引き受けること(assume)、または新しく義務を作り出すこと(create)を広く網羅して禁止しています。
  • bind the other Party(相手方を拘束する): 自分の行った法律行為の効果を相手方に及ぼし、相手方に法的な履行責任を負わせることを意味します。
  • prior to the commencement(行為の開始前に): 事後承諾(ratification)によるトラブルを防ぐため、必ず「行為に及ぶ前」の段階でクリアな許可を得ていなければならないとする厳格な時間的条件です。