on reasonable grounds

訳:

合理的な根拠に基づいて正当な理由に基づいて

意味合い:

on reasonable grounds(合理的な根拠に基づいて、正当な理由に基づいて)は:
当事者が行う一定の判断、主張、異議申し立て、または同意の留保などが、単なる主観的な好みや気まぐれではなく、客観的事実や論理的な理由、あるいは業界の健全な取引慣行に照らして正当化できる状態であることを表します。一方の当事者がその権限を濫用することを防ぎ、義務や権利の行使に適正な枠組み(客観性)を課すための重要な表現です。

法的解釈:

on reasonable grounds(合理的な根拠に基づいて、正当な理由に基づいて)は:
裁判や仲裁において、その行為の妥当性を客観的な「合理性(reasonableness)」の基準で判断することを意味します。例えば、相手方の提案に異議を唱える場合、その異議が経済的リスクや技術的不適合など、第三者から見ても納得のいく客観的な証拠や理由に基づいていることを証明(立証)する責任を負うと解釈されます。

実務のヒント:

on reasonable grounds(合理的な根拠に基づいて、正当な理由に基づいて)は:
相手方が不当に同意を拒絶したり、決定を引き延ばしたりして取引の進捗を阻害する「嫌がらせ行為」をブロックするための交渉カードとして機能します。本例文のように「拒絶する場合は、10営業日以内にその具体的な根拠を書面で相手に通知しなければならない」という手続的義務を対等に課しておくことで、根拠の薄い不当な同意留保(withhold consent)を実務上強く牽制できます。

類似・関連する用語との違い:

  • at its sole discretion(その独自の裁量により)との違い: at its sole discretion(または at its absolute discretion)は、理由の有無や合理性を問わず、当事者が「完全に自分の都合だけで自由に決定できる」強力な権限を意味します。これに対して on reasonable grounds は、客観的に納得のできる正当な理由がなければその行為が認められないため、決定の自由度が大きく制限されます。
  • in good faith(誠実に)との違い: in good faith は「誠意を持って、悪意なく」という主観的な意図や態度に主眼がある表現です。これに対して on reasonable grounds は、当事者の主観だけでなく、外部の第三者(裁判所など)から見ても論理的・客観的な「根拠(事実やデータ)」が存在していることを要求する点で、より客観的な基準となります。
  • without cause(理由なく)との違い: without cause は、「特段の理由や根拠を必要とせず、いつでも」という意味であり、主に中途解約(Termination for convenience)の場面などで使われます。on reasonable grounds は「cause(正当な理由・根拠)」がある場合のみ行為を認めるという対極の制限を課す表現です。

用法:

on reasonable grounds(合理的な根拠に基づいて、正当な理由に基づいて)は:
主にAssignment(譲渡条項)で使用されます。

  • (文脈):契約上の地位や権利を第三者に譲渡する提案に対し、相手方が異議を申し立てたり同意を拒んだりできる場面を、主観的な拒絶ではなく客観的に正当な理由がある場合にのみ限定するという文脈で使用されています。
  • (例文での役割):譲渡を希望する当事者が不当に拒絶されるリスクを保護すると同時に、拒絶する側に対しても、その具体的な根拠を一定期間内に書面で開示させるという実務的な義務を課す役割を果たしています。

例文  on reasonable grounds(合理的な根拠に基づいて、正当な理由に基づいて):

【Assignment(譲渡条項)より】
Either Party may object to or withhold its consent to any proposed assignment of this Agreement to a third party only on reasonable grounds, provided that the requesting Party shall be notified in writing of such specific grounds within ten business days after the receipt of the written request.

(日本語訳)
いずれの当事者も、第三者への本契約の譲渡の提案に対し、合理的な根拠に基づく場合に限り、異議を申し立て、または同意を留保することができる。ただし、その場合、当該具体的な根拠を書面による要請の受領後10営業日以内に、要請を行った当事者に対して書面で通知しなければならない。

例文の注記:

  • withhold its consent(同意を留保する): 相手方の要請に対して、認めずにストップをかけたり、承諾を拒んだりする行為を指します。
  • proposed assignment(譲渡の提案): 契約上の権利義務を第三者に移転させるために、事前に対象当事者へ対して行う正式な申し出のことです。
  • only on(~の場合に限り): 条件を「合理的な根拠がある場合」という一点のみに厳格に限定する、強い限定表現です。
  • within ten business days(10営業日以内に): 土日祝日を除いた実働日で10日という明確な期間内に手続きを終えることを義務づける制限句です。